田中恒成が4階級制覇へ、最初の標的は井岡一翔
2020年02月04日 14:27
格闘技
畑中清詞会長によると、既に1月31日付で同王座を返上した。先月13日にWBOからスーパー王者と認定され、転級すれば、すぐに指名挑戦者になれる特典を与えられたことが決断を後押しした。これで、かねて標的としてきたWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(30=Reason大貴)との対戦が年内に実現しそうだ。どの団体をまず狙うかと問われ「一番早くチャンスが来た団体(の王者)を狙う」と答えたものの、井岡はその条件に当てはまる。
WBO以外に目を向けても、同級は猛者ぞろい。手数が多い上に破壊力もあるWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(29=メキシコ)は40勝(27KO)3敗。かつてPFP(パウンド・フォー・パウンド)最強とも言われたローマン・ゴンサレス(32=ニカラグア)とライトフライ級時代の2012年に激闘。そのゴンサレスを2度破ったシーサケット・ソー・ルンビサイ(33=タイ)を下して現在の王座を獲得した。自身の負傷により、昨年12月に予定したWBA王者カリド・ヤファイ(30=英国)との統一戦はいったん白紙となったものの、井岡もエストラーダとの対戦を熱望しており、スーパーフライ級の中心的な存在だ。
IBF王者ジェルウィン・アンカハス(28=フィリピン)は32勝(22KO)1敗2分け。左構えの正統派で伸びのある左ストレートは威力抜群で現在防衛8度を数える。5度防衛中のWBA王者ヤファイは26勝(15KO)。2月にローマン・ゴンサレスの挑戦を受ける見通し。この激戦区に田中は殴り込みをかけようとしている。
「今、スーパーフライ級の選手たちは凄く強い。そういう選手がいるうちに戦いたい。その気持ちが一番強い」
自分をさらなる高みへ引き上げてくれる強敵とのビッグマッチを望んでいる。
「フライ級で戦うのも可能だけど減量はきつい。逆にバンタム級だと、まだ体が小さい。今は適正階級に来たというのはある。スーパーフライ級で長い時間戦いたい。強豪の選手を全員倒したい」
世界最速の3階級制覇などスピード記録を打ち立ててきた田中が、今度はどっしりと腰を据えて4団体のベルトコレクションを目指す。