元世界王者・木村翔 所属ジム休会、コロナ禍…“雑草魂”で逆境を乗り越える!

2020年05月03日 05:30

格闘技

元世界王者・木村翔 所属ジム休会、コロナ禍…“雑草魂”で逆境を乗り越える!
“雑草魂”で困難を乗り切り、王座返り咲きを目指す木村翔 Photo By スポニチ
 元WBO世界フライ級王者・木村翔(31=花形)がスポニチ本紙インタビューに応じ“雑草魂”で逆境を乗り越える決意を語った。所属していた青木ジムが昨年末で休会となり、さらにコロナ禍の追い打ち。主戦場となるはずだった中国での試合は不透明な状況でも希望は失ってはいない。
 「いずれ来るであろう世界戦に向けて、しっかり準備するだけ。そこで結果を出すことが仕事なので」

 17年7月、敵地で五輪2連覇の鄒市明(ゾウ・シミン、中国)を11回TKOで下して王座を獲得した時はアルバイトで生計を立て、家賃5万円の1K住まいだった。

 「鄒との一戦がなかったら今ごろは引退してました。当時に比べれば、恵まれているので、心が折れることはないです」

 王座陥落、そして昨年5月には1階級下のWBA世界ライトフライ級王者カニサレス(ベネズエラ)に完敗。「ハングリーさを失った」との批判も聞こえてきたが、度重なる困難の中で“飢え”を取り戻した。

 フィリピン人トレーナーのジョベン・ジョルダ氏との出会いも転機となった。新たな知識や技術を叩きこまれ、2月の再起戦では元WBO世界ミニマム級王者サビーリョ(フィリピン)に2回TKO勝ち。これまでにはなかったワンパンチKOだった。

 「まだ完成形じゃない。教わることが楽しいし、もっと進化できると思っている」

 現在、ジョルダ氏はタイ滞在中のため、直接指導を受けることはできないが、木村は休業中の知人のジムなどを間借りして練習を続けている。

 「コロナ終息後の一発目に世界戦をやりたい。中国がダメなら別の国でもいい。絶対にやれると信じている」

 長いトンネルの出口に向かって木村は走り続ける。

 ◆木村 翔(きむら・しょう)1988年(昭63)11月24日生まれ、埼玉県熊谷市出身の31歳。中3時にボクシングを始め、本庄北高でインターハイ出場も1年で退部。23歳で競技を再開し、13年4月プロデビュー。16年11月にWBOアジアパシフィック・フライ級王座、17年7月にWBO世界同級王座を獲得。戦績は19勝(12KO)3敗2分け。身長1メートル65、リーチ1メートル69の右ファイター。

おすすめテーマ

2020年05月03日のニュース

【楽天】オススメアイテム