伊藤雅雪、細川バレンタインに8回TKO勝利「自分の中では大きな一歩」

2021年07月03日 21:24

格闘技

伊藤雅雪、細川バレンタインに8回TKO勝利「自分の中では大きな一歩」
<ライト級10回戦>細川バレンタイ(右)に左フックを浴びせる伊藤雅雪。8回TKO勝利 Photo By スポニチ
 プロボクシングの前WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(30=横浜光)が3日、東京後楽園ホールで元日本スーパーライト級王者・細川バレンタイン(40=角海老宝石)とのライト級10回戦に臨み、8回1分17秒TKO勝ちした。
 ノンタイトル戦ながら、わずか2日でチケットが完売した注目の一戦。伊藤が序盤から細川を圧倒した。左ジャブを当て強烈な右を繰り出す。左フック、右アッパーと多彩な攻めで主導権を握った。細川の右強打を警戒し、「安全運転で行こうか」という思いが頭をよぎったが、セコンドから「ここで倒すか、倒さないかでは今後か違う。とにかく行け!」のゲキにペースアップ。8回、強烈な右ストレートでぐらつかせ、ロープ際で連打を浴びせると、レフェリーが試合をストップ。伊藤は両手を突き上げて喜びを爆発させた。

 「すごく勝ちたい気持ちが強かったので、最後は感情が表に出た。自分の中では8ラウンドでギブアップさせるのが理想だったので、良い勝ち方ができたと思います。それも含めて安心しました」

 19年5月の王座陥落後、階級をライト級に上げて再起。だが、昨年12月、同じく階級を上げた前東洋太平洋スーパーフェザー級王者・三代大訓(ワタナベ)に判定で敗れた。思い描いていた世界再挑戦の道が見えなくなり、引退も考えたが、周囲の意見があり、そして自分の心の中にも「あれが最後じゃカッコつかない。自分の納得できる形で終わりたい」の気持ちが残り、再びリングに立つことを選んだ。

 胡朋宏トレーナーに指導を求めながら自身のボクシングを再構築。ライト級3戦目を迎え、コンディション作りのコツもつかんだ。伊藤は「前回とは体調も全然違った。自分のやりたいボクシングができた。成長したのかなと思います。気持ちをつくって前に進めたのは自分の中では大きな一歩になる」と胸を張った。

 三代に敗れる前は、日本&東洋太平洋&WBOアジアパシフィックのライト級3冠王者・吉野修一郎(三迫)と対戦する構想もあった。伊藤は「路線から外れちゃったけど、やれるなら吉野選手とやりたい。勝って来年は世界に行けたら」と希望を口にした。

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