尚弥後輩が人助け 大橋ジム・山崎裕生、ケガした老人背負い自宅へ 会長「人として世界チャンピオン級」

2023年08月19日 04:30

格闘技

尚弥後輩が人助け 大橋ジム・山崎裕生、ケガした老人背負い自宅へ 会長「人として世界チャンピオン級」
人助けをした大橋ジムの山崎裕生(大橋秀行会長のインスタグラムから)
 プロボクシングWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(30)が所属する大橋ボクシングジムの若手ボクサーが人助けをした。同ジムの大橋秀行会長(58)が18日、本紙の取材に応じ明かした。スーパーバンタム級の山崎裕生(22)で、大橋氏は「人として世界チャンピオン級」と期待のホープの行動を称えた。
 17日、お礼の手紙が届いた。人助けの場に居合わせた高齢女性からだった。大橋氏によると、8月中旬、横浜駅付近で足をケガして動けなくなっている老人と、助けようとしていた高齢女性を発見。駆け寄って「大丈夫ですか?」と声をかけると、女性は「大丈夫です」と答えた。山崎は「大丈夫じゃないですよね」と老人を背負い、自宅まで運んだという。

 山崎は人助けをしたことを周囲に話しておらず、大橋氏も手紙を読んで初めて知った。手紙が届いたことを山崎に伝えたところ、ニコニコと照れ笑いを浮かべていたという。

 大橋氏によると、山崎は「ルーキーながらふてぶてしいボクシングをする」という一方、ジムに通いながら働く清掃会社では仕事もでき、人柄も良いと評判が高いという。

 山崎はアマチュア戦績40勝9敗で、今年6月にプロデビュー。並のボクサーでは務まらないといわれる井上のスパーリングの相手をするほどの実力者で、世界王者から日々直接鍛えられている。

 学んでいるのは技術だけではない。大橋氏は「礼儀正しい井上ら先輩の背中を見ているからこそ、今回のような行動が取れたのかもしれない」と誇らしげに話した。

 9月12日には東京・後楽園で9勝9KOのジワラット・タムマチョット(タイ)と対決。大橋会長は「パンチ力のある相手だが、ふてぶてしいボクシングで勝利してほしい」と期待を込めた。


 ◇山崎 裕生(やまさき・ゆうせい)2001年(平13)4月21日生まれ、大阪府泉佐野市出身の22歳。興国高校時代に2019年全国高校総体バンタム級で準優勝。進学先の東洋大でも団体大学日本一に貢献。アマでは49戦40勝の実績。6月のプロデビュー戦では1回TKO勝ちを果たした。


 ≪アスリートの人助け 山本KIDさん12年に人命救助≫ 18年に亡くなった総合格闘家の山本KID徳郁さんは12年4月、都営浅草線五反田駅のホームで線路に転落した高齢の男性を居合わせた人らと救出。西武などで活躍した清原和博氏(55)は22年2月、沖縄でバイクと車の衝突事故に遭遇。同行していた友人男性と救助や交通整理を行った。元サッカー日本代表の藤本淳吾氏(39)らは今年6月、サッカーイベントで心肺停止状態になった男性に対し心肺蘇生。意識を回復させ、救急隊に引き継いだ。

おすすめテーマ

2023年08月19日のニュース

【楽天】オススメアイテム