ボクシング井上尚弥「35歳で引退」を延長も!?「年齢ではなく自分のパフォーマンスがどうなっているか」

2023年09月09日 20:37

格闘技

ボクシング井上尚弥「35歳で引退」を延長も!?「年齢ではなく自分のパフォーマンスがどうなっているか」
トークショーを行った井上尚弥(中央)。左は八重樫トレーナー Photo By スポニチ
 プロボクシングWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(30=大橋)が9日、都内でNTTドコモの配信サービス「Lemino」が開催したトークイベントに参加。Lemino有料会員を対象に抽選でファンを招待したイベントで同ジムの八重樫東トレーナーも登壇した。
 トークショーで井上は7月のフルトン戦を振り返るとともに、ファンからの質問にも回答。かねて発言してきた「35歳引退」発言を延長する話が出たときは場内から拍手が起きた。トークショーの内容は以下のとおり。

――フルトン戦前は

 「試合前は陣営と意味のない答え合わせというか、自分自身が不安を解消させるために八重樫さんや父と、こうだよねああだよねと話しながら作戦を立てていました。もともと目を付けていたのはフルトンの距離感。黒人で足も長く、懐も深くて、左ジャブを得意とする選手なので、距離がどんなものなのか、慎重な作戦イメージは立てていました」

――試合中のL字ガードについて

 「だいたい左足で距離感をつかむんですけど、背の高い選手に対してL字で距離をはかっていくのがわりと得意なほうで、ラミドとのスパーリングで試しながらやっていて、いいかなと。ただ、ラミドに直接、L字とガードを上げていくのと、どっちがやりにくいか聞いたら、ガードを上げたほうがやりにくいと言われて、自分の中でぐちゃぐちゃになったんですよ。(L字でいくと決めたのは)わりと試合の近くだったかなと思います」

――足を踏まれていたが

 「1回踏まれたときにたまたまかと思ったんですけど、5回、10回と来て、故意にやってると感じながら、だとしたら足がぶつかる位置にステップインできないなら、さらにまたいでステップインすればいいと切り替えたので大丈夫でした。フルトンは足を踏むのを意識していたと思うんですけど、4,5回ぐらいからは踏みに行く余裕がなくなったので、そこからは踏まれなくなったっすね」

――フルトンは意識して踏んできたのか

 「だと思いますよ。逆によかったのは(足を踏むために)足を広げてきたので、逆にステップインをそこまでしなくてもパンチが届く距離ができた。肩幅のスタンスで、しっかりフルトンの足の長さと身長の高さをうまく生かしていたらもうちょっとジャブが届かなかったと思うんですけど、足を広げて重心を落としていたのでジャブが当てやすかったのかなと思いますね」

――八重樫トレーナー、頻繁にスパーリングしていた当時を振り返って

 八重樫「僕は彼とスパーリングすごく嫌だったので。後輩にあたるし、高校のこ頃は出稽古に来た選手。年下だから「こんにちは!」と挨拶してくれるんですけど、僕は「おう」と返しておわりで帰るまで一切話もしません。負けたくなかったので、年下ながら強い選手だったので、バチバチでしたね」

 尚弥「高校生ながら怖い人だなって」

 八重樫「ほんとにやりたくなかったですよ。真吾さんに尚とスパーリングよろしくね、拓とよろしくね、と言われて、親子がジムに来ると本当に気持ちが落ち込む(笑)。高校生ですよ? 僕は世界チャンピオンになってるかなってないかぐらいだっと思うんですけど、けっこうやられるんですよ。それが屈辱的で、こいつには負けないようにという日々があって」

――井上尚弥が当時を振り返って

 「初めて話すんですけど、高校2年ぐらいから八重樫さんと週2、3ぐらいでスパーリングをやって。年齢は10個も僕が下なので、成長は僕の方が早いじゃないですか。だんだん八重樫さんを追い抜いてきたなとわかるわけですよ。そうすると八重樫さんがスパーリングやりたくないな、という雰囲気を感じるんですよ。そうすると週3やってるのが申し訳ないんですけど、でも誰とやるか決めるのは父なので。やらなきゃだめじゃないですか。ちょっと申し訳ないなと思ってやっている時期がありました」

――これからの展望。スーパーフェザーへの期待。

 「フェザー級に行くのは2年ぐらい必要かなと。今年あと1試合やって、来年3試合やりたいと思っているので、それで再来年ぐらいにはフェザー級にいければなと思います。32歳でフェザーの体を作って、35歳ぐらいでラスト1試合ぐらいスーパーフェザーに挑めればな、というぐらいの感覚です。スーパーフェザーで4団体統一とかはまったく考えてないですし、どこかでチャンスがあればという感じです」

以下は質問コーナーでの主なやりとり

――トレーニングを積んで、気持ちが乗らないときは

 「トレーニングをやりたくない日はあまりないんですよね」「唯一は、八重トレの次の日とか。筋肉痛がすごくて。もう起きるのも…。やりすぎだよ。あれ。本当に唯一の苦痛はそのぐらいです。試合が終わって初めてフィジカルを開始した日の次の日とか最悪ですね。モチベーションをどう上げるかというのは、まあ、12月にあるというのはだいたいわかるので、そこがモチベーションですね」

――ターゲットがあればいい

 「こないだツイートしたんですが、12月の試合に向けて、『…整えますか』と投稿した。その前にスパーリングを始めてそろそろ仕事しますか、と書いたんですよ。それって自分の中ではボクシングは仕事じゃないので、整えますと変えたんです。そこの感覚の違いもある。仕事ではなく、自分の好きなボクシングをして、好きな試合、リングに上がってそれをみなさんにみて頂いて、与えることができたらなと。感覚の違いなのかなと。そこで自分のマインドをどう持っていくか」

 ――「勝ちスイッチ」では33歳でフェザーに上げると書いている。計画を前倒しにできる変化があったのか。先ほど32歳と話があった。1歳変化した

 「『勝ちスイッチ』を書いていたときは、スーパーバンタムもたぶん見えていなかったぐらいのときで。そこをこえたフェザー級の計画はあのときの、本当に、年を重ねて、そのときのフィジカルをどうしてという、考えた中で33歳だと思う。スーパーバンタムで試合をしてあと2年でいけるかなという感覚は今あるので、このときは違うのかなと」

――現実味が出てきた

 「この間、ちょっと会長とごはん食べたときに、36歳までやっていいですかと聞いたときに、35で引退してくれと言われたんですけど。この間改めて会長2年プラスしていいですかと聞いたら、そんなにやめてくれと言う感じではなかった」

――もともと35だった

 「35までと決めたのは26、7ぐらいのときかな。そこから7年後と言ったら、自分のパフォーマンスがどう維持できているかというか、まだ明確にわからなかったときなので。ただ34でも35でも自分のパフォーマンスが落ちているのであればそこは考えますし。35になってもまだまだパフォーマンスが上がっているなと感じたらやめる必要はないし。年齢ではなくて、自分のパフォーマンスがそのときどうなっているのか、ところだと思います」

――次世代の選手を育てたいと思うことは

「引退した後はボクシングに携わっていきたいと思っているので、もちろん大橋ジムの後輩の選手には教えていきたい。コーチ、トレーナーではなくて、プロモーターとかマッチメークができたらなと思っているので」

――ベストバウト、トップ3は

 「でもみなさんと同じ感じですかね。フルトン戦、ドネア2、1。あとはナルバエス戦ですかね。何かちょっと世界的な評価が変わったかなと思った試合だった。自分の思うベストバウトとみなさんのベストバウトは、やっている本人とみてくれるファンの方、たぶん一緒なのかなと思います」

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