七夕の悪夢 井岡一翔 まさかの完敗 35歳3カ月 進退は白紙「考えようがない」
2024年07月08日 04:45
格闘技
開始早々から全開でパンチを振る相手に苦戦。左右の強打を浴び、鉄壁のディフェンスを誇る井岡の顔が何度もはね上がった。中盤はダッキングでかわして攻勢をしのぐ場面もあったが、最終12回になっても相手の勢いは衰えず。ジャッジ1人が相手にフルマークをつける完敗となった。「毎ラウンド全身全霊で戦った。判定まで考えず倒すつもりだった。勝ったか負けたかは考えていなかった」。新統一王者の強さを認めながら敗戦を受け入れた。
引き分けで王座統一に失敗した22年フランコ戦の失態を繰り返さないためにも「最後になるかもしれない」と悲壮な覚悟で臨んだ一戦だったが再び悪夢に襲われた。WBC新王者ジェシー・ロドリゲス(米国)との3団体統一戦実現が遠のく痛恨の黒星。「今はタイトルも持っていないし、考えていたことが白紙となった。考えようがない」と今後について明言しなかったが、本紙取材には「負けたら引退、という甘い考えは全くない」とも明かしていた。
「井岡が望むなら」とダイレクトリマッチを歓迎したマルティネスに対し、「じゃあすぐに、という気持ちにはなれない」と本音も。「この事実を受け入れるとともに、全力で生き抜いた自分自身に満足したい。そのバランスをしっかり考えて今後のことは考える。今はもうゆっくりしたい」。キャリア最終章での1敗、井岡の今後に注目が集まる。