元世界王者の小国以載「余裕ないよ」 接近戦を挑み、左構えを披露できなかった理由は…
2024年10月25日 22:25
格闘技
細川氏から「今回の作戦はなに!!なんで、あんなにガンガン打ち合いにいったの?」と本来のアウトボクシングを全く見せなかった理由を問われた。小国は「最悪っすよね。まあ、ケガしているのもありまして…」と説明。自身が出場した試合と同じ13日にWBA世界バンタム級王座を獲得した堤聖也(角海老宝石)、前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)とスパーリング中に左腕を負傷したことを明かした。「ジャブを伸ばすと痛かったので。とりあえずフェイントして、ひっついて勝負しようかなと…」「ショート(レンジのパンチ)は打てるんですよ」などと自身のスタイルに必要不可欠の左ジャブをほぼ封印する状況だったという。シャドーボクシングでも痛みを感じたといい、練習量不足でスタミナにも不安を抱え「長いラウンドはできないと思っていた」。そのため接近戦で倒しにいく作戦を選択した。
細川氏から「自分の人生でスパーでも、あんな戦い方をしたことないやろ?」と突っ込まれ、小国は「でもアマの時はあんなん、なんですよ。イケイケで打ちにいって、ずっと打ち続ける。もう十何年とやってないですけど。プロって一発もらったら効くから、そんな戦い方はやめようと」とファイタースタイルだったことを説明。細川氏は「へえー」と驚きを示し「俺はスゲエと思った。小国があんな戦い方をするのを、俺は見たことがないから。普段やったことないことを(試合のリングで)やるのは無理やから」と返した。
試合が始まっても想定外は続いた。小国は「(ンギーチュンバが)前に出てきてくれると思ってたらバックステップするから。ウッソー!!と思って。こんな時に限って」と、よけいに焦りが募った。「来んから、とりあえず自分からいって。あんな(左右を振り回す)打ち方やから、打ち終わりは(ガードがガラ空きで)ザルですよ」。そして最初のダウンを喫した直後に「ヨッシャ!!これで(相手は自分を仕留めるために)来てくれる。やっと来てくれる。望むところやと思うたんですけど。やっぱり足が…力が入らへん。だいたい(キャリアの中で今まで喫したダウンは)フラッシュやから大丈夫やったんですよ。今回はメッチャ効いた。やばい。ダウンってホンマはこんなんなんやと思った」。巧みに距離を取るタイプだけに30代半ば過ぎで初体験だった。
このチャンネルでは、ンギーチュンバ戦で自身が左構えにスイッチする仰天プランを冗談交じりに披露していた。細川氏から「サウスポーになれば良かったのに」と問題なく使える右でジャブを出せる作戦を採用しなかった理由を問われた。小国は冷静に「余裕ないよ。相手もサウスポーにスイッチしてこんかったし。余裕はないよ。(このチャンネルで左構えスイッチ案を)言うとったけど…」と苦笑いした。