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インドのタタグループが、英国のジャガー&ランドローバー社の買収を発表【今日は何の日?3月26日】

2024年03月26日 08:00

インドのタタグループが、英国のジャガー&ランドローバー社の買収を発表【今日は何の日?3月26日】
英国の名門ランドローバー&ジャガーがタタグループ傘下に 2008(平成20)年3月26日、インドのタタグループがフォードの傘下だったジャガー&ランドローバー社を買収することを発表。ジャガーとランドローバーは、英国の歴史あ […]

英国の名門ランドローバー&ジャガーがタタグループ傘下に

2008(平成20)年3月26日、インドのタタグループがフォードの傘下だったジャガー&ランドローバー社を買収することを発表。ジャガーとランドローバーは、英国の歴史ある高級ブランドだが、幾度となく経営難に陥り1989年にフォードの傘下になったが、フォードが経営不振になったためタタ・グループに売却することになった。

美しいスタイリングのスポーティな高級車ジャガー

ジャガーの創始者ウィリアムズ・ライオンズは、1922年にオートバイのサイドカーを作るスワロー・サイドカー社を設立。1931年にクルマの製造を始め、初めてオリジナルモデル「SS1」を販売して大ヒット、これを機に1935年に社名をジャガーに改称し、本格的な自動車メーカーへとステップアップした。

ジャガータイプE
2)今も名車として語り継がれる「ジャガータイプE」

ジャガーは、スポーツモデルを中心にラインナップを充実させ、モータースポーツにも積極的に取り組んだ。1951年には、ル・マン24時間レースに初参戦で初優勝を飾り、1961年には美しいスタイリングの名車「タイプE」、1968年に高級サルーン「XJ6」などで大ヒットを飛ばし、ジャガーブランドが確立された。

しかし、経営状況は良くなく、1966年にブリティッシュ・モーター・コーポレーションと、その後レイモンド・モーター・カンパニーと統合を進めてブリティッシュ・レイランド・コーポレーション(BLMC)となり、結局1989年にフォード傘下になった。

高級SUVメーカーとしての地位を確立しているランドローバー

ランドローバーの原点は、第二次世界大戦後の1948年にローバー社が製造した「ランドローバーシリーズ1」まで遡る。ローバー社は、1968年に英国国営会社のブリティッシュ・レイランドに合併され、ランドローバーというブランドを設立。1970年、ランドローバーブランドから高いオフロード性能と高級車並みの快適性を備えたSUV「レンジローバー」を発売して大ヒット。これを機にランドローバーは、高級オフロード車メーカーとして歩み始めることになった。

レンジローバー2024モデル
3)ランドローバーを高級SUVブランドに押し上げた「レンジローバー」の2024モデル

1978年には、独立してランドローバー社を設立。ランドローバーが、世界中にその名を轟かせたのは、1979年の第1回パリ・ダカールラリーの優勝であり、この成功でランドローバーというブランドとレンジローバーという高級SUVの名が世界中に轟き、現在のランドローバーブランドが確立された。

その後も、「レンジローバーイヴォーク」、「デイスカバリー」など多くのヒットモデルを世に送り出すが、ランドローバー社自体は経営不振に陥り、紆余曲折の後、1990年代にはBMWの傘下になり、ローバーとランドローバーが分割。その後2000年に、ランドローバーはフォード傘下になった。

ジャガーとランドローバーを傘下に収めたタタ・グループ

タタ・グループは、インドの歴史ある3大財閥のひとつであり、そのグループの中で自動車事業を統括するのが、タタモーターズである。タタモーターズは、インド最大の自動車会社であり、とくに商用車部門では圧倒的なシェアを誇る。

タ「ナノ」
4) (日本超低価格円で約28万円)で話題を呼んだタタ「ナノ」

1990年代から乗用車の生産を始め、2008年に販売価格10万ルピー(約28万円)の超低価格車「ナノ」を発売し、世界を驚かせた。その名のとおりユニークな小型車で、エアコンやラジオ、パワーウインドウといった快適装備を付けない極めてシンプルなクルマだった。
インドの乗用車市場では、マルチスズキインディアに次ぐ国内第2位だが、EVではすでに国内シェア9割を達成している。
タタグループは、関連企業を買収することで巨大化しており、2008年に英国ジャガー・ランドローバーを傘下に収め、EVの開発でも協業している。

買収されたジャガー&ランドローバーは、元気を取り戻して現在好調さをキープしている。“金は出すが口を出さない”というタタの方針が奏功しているとされている。傘下に収めて自分たちの方針を強要するやり方は、過去の事例からみても失敗するケースが多いように思う。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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