×

こんどの北米キックス、よーく考えたら4代め!全4世代・5種類の「キックス」を片っぱしから見ていこう

2024年03月31日 08:00

こんどの北米キックス、よーく考えたら4代め!全4世代・5種類の「キックス」を片っぱしから見ていこう
■過去のキックスを、新型キックスとともに眺めてみる ●新型キックスの、実用性が高そうな内外デザイン 新型キックスについては3月25日の別記事で採りあげているが、あらためて本記事でも眺めてみると・・・ この新型で4代めとな […]

■過去のキックスを、新型キックスとともに眺めてみる

●新型キックスの、実用性が高そうな内外デザイン

新型キックスについては3月25日の別記事で採りあげているが、あらためて本記事でも眺めてみると・・・

この新型で4代めとなるキックスは、いま売られているキックスに対してひとクラス格上げされ、外観が全体的に直線基調になっているのが目につく。

北米で発表された新型KICKS。

フードを水平にし、その延長上にサイドガラスのウエストラインがまっすぐ走っている。当然実車を見ているわけではなく、日産の公開写真を見ているだけなので断定はできないが、水平にまで持ち上げたフードは運転席からの車両感覚をつかむのに役立つし、ウエストラインが地面と平行(?)なら駐車操作の大きな助けになる。むかしのクルマでは当たり前のデザインだったのに、このところ見た目優先でラインや面を妙にこねくりまわし、見る目に煩雑な造形がどのクルマも長く続いてきたが、いい意味で使いやすそうな形を取り戻してくれたことにまずは拍手を贈りたい。

唯一気に入らないのはリヤドア後端のキックアップだが、これがなければないで特徴が薄れるのだろう。

フード高さとウエストラインが同等の高さにあり、ほぼ水平なので、見切りも駐車操作もしやすそうに映る。

それにしても、このスタイリングがドライバーにとって、どれほど有用なものになっているのかいないのか、早く実車に接して確認してみたいものだ。

フロントランプは現行セレナに始まったモチーフを採り入れており、メーンのランプ下に数本のシグネチャーランプを配置。

グリル&バンパーも現行から大きく異なるデザインで、従来グリルを大きく下まで延ばし、バンパーとグリル全体で複雑な曲面をなしていたのが、新型ではコーナーをラウンドさせながら前面は垂直にストンと落とし、車両全体と同じく直線基調にしている。

セレナのフロントランプ。
フロントは、横方向にはラウンディッシュにまとめているが、上下方向はほぼ垂直になっている。

いまの日産顔の象徴であるVモーショングリルを、新型はやめたように見えたのは早とちり。よく見ると3本スリットの各両端を斜めにカットし、その下の突き出し部のスリットと併せてVの字をほどほどに残してある。

新型のVモーションはこのようになっているが・・・
Vモーションをめっきなどのパーツでじかに見せるのではなく、離ればなれの各スリット両端を斜めにカットすることで、遠目でVの字に見えるようになっている。

後ろにまわると、フロントが日産族のフェイスを守っているのに対し、リヤビューは日産リヤデザインに新たな創造が加わったという印象を受けた。

新型KICKSのリヤビュー。最新日産のリヤスタイルに新しいバリエーションが加わった。

最新日産車の全部が全部ではないが、いまのノートにアリアにサクラ・・・黒なり赤なりのガーニッシュで、左右リヤランプを一文字でつなぐのがいまの日産リヤデザインのアイデンティティのようだ。そのアイデンティティからセレナやエクストレイルは外れているが、それにしても新型のリヤ造形は、一文字シリーズともセレナともエクストレイルとも一線を画している。

ノートのリヤビュー。
アリアのリヤビュー。
サクラのリヤビュー。
セレナや
エクストレイルのリヤは、必ずしも前の3台のセオリーに則ってはいない。

バックドア両脇にランプをタテ配置し、その上端同士を、一部ランプを擁するブラックアウトのガーニッシュで結ぶ・・・フロントが控えめなVモーションなら、こちらは逆Uモーションと呼ぶべきか。

このアングルから見ると、逆Uの字というより、安定した門がまえという感じがする。

内装に目を移すと・・・

新型4代めが大人びたように見えても、やはり日産SUVの末っ子ポジションに変わりはないのか、エントリーモデルのノートの計器盤(以下インパネ)によく似ている。

新型KICKSのインパネ。

まさかと思いながらも同じ部品かと決めつけそうになったが、よく見たらやはり別ものだった。

全体のレイアウトは同じだが、ナビは液晶メーターと地続きになっているし(ノートはわずかな段差がある)、ノートではインパネ両脇にカップホルダーがあるがこちらにはない。インパネ両端の空調吹出口の形も違う。

新型KICKSインパネ。正面から。
こちら現行ノート。考えてみたらこちら車幅が5ナンバーサイズ。新型KICKSは1700mm超で室内幅だって広いのだから、インパネが別ものなのは当然だった。

写真は北米仕様で、直列4気筒の2Lエンジンを搭載するらしい。トランスミッションはCVTで、高いコンソールの上にはシフトレバーが立っている。いまの日本仕様キックスはe-POWER車だもの、もしこの新型4代めが現行と同じくe-POWER版で国内投入されればコンソールはブリッジ状になってシフトレバーは電制シフトに変わり、その下はもの入れスペースが与えられるに違いない。

写真のCVT車はシフトの内部構造を隠す都合上、コンソールサイドは壁になっているが、その形は電制シフト版ではもの入れになることを明示している・・・日産が口をつぐんだって、細部の形に目に凝らせば、まだ見ぬ未来のバリエーションの存在が透けて見えてくるというものだ。

新型KICKSのコンソール。よく見るとサイド部はエンボス状の壁になっているだけだ。
その形状は、シフトが電気式で下がスカスカになった場合はもの入れになることを示している。ということは、新型にも電制シフトのe-POWER車が存在するということだ。
ノートの電制シフト下のもの入れ部。新型KICKSもe-POWER車は同じ形になるに違いない。
ピラーを隠すセラミック塗装部が広いので(接着剤塗布部でもある)、ガラス透過部分は極小。したがって実用上の有効視野はせまいだろうが、それでもないよりはいい。

外観の話にもつながるが、うれしかったのは、新型には現行型で省かれているクオーターガラスが新設されたことだ。

現行のリヤピラー部にはガラスと見まがう黒いガーニッシュがかぶされているに過ぎず、仮にガラスだったとしても大して斜め後方視界の向上に役立つまいが、新型ではこの部分がガーニッシュと見まがうガラスになっている。

ただし下からは先述のキックアップに突き上げられ、上からは後ろ下がりのルーフに押し付けられで窮屈そう・・・つまり天地が小さく、さらにセラミック塗装分もあるから斜め後方視界向上には大して寄与しないだろう。しかしないよりはずっとましで、もしこの部分が埋められていたなら視覚的にも心理的にも圧迫感が生じるはずだ。

さあ、ここからが本記事の本題。

ここまでさりげなく「新型4代めキックス」と何度か書いてきたのは引っ掛け。

キックスを日産の3ナンバーSUVと解釈しているひとが、

「ん? いまのキックスは初代型で、北米発表の新型は2代めではないのか? これ書いているヤツは何者だ?」

と思ったならよく見ていますな。

「いや、軽自動車時代のキックスもあるからいまのキックスは2代めで、こんどのヤツは3代めだろ。」

と疑問を抱いた方、キックスを過去から販売され続けてきたクルマと考えるならそれも正しいぞ!

今回北米で発表された新型キックスが日本市場にも投入された場合、「日産KICKS」と書けば2代めだが、「日産キックス」なら4代めになる。

どういうことかというとですな、日産自動車が生み出した「キックス」は4世代あるわけ。

いちばん最初の「キックス」はこれだ!

●NISSAN XIX(1995年・第31回東京モーターショー参考出品)

NISSAN XIX(1995年・第31回東京モーターショー参考出品車)。
「XIX」で「キックス」と読む。

実は日産自動車がいちばん最初に造った「キックス」は、1995年の第31回東京モーターショーに参考出品されたコンセプトモデル。NISSAN「XIX」と綴って「キックス」と読ませた。三菱がミラージュの変わり種2シーター「XYVYX」を「ザイビクス」と読ませたのを思い出す。

三菱ミラージュXYVYX(ザイビクス・1987年)。

最近、女優の山本陽子が亡くなったが、「上から読んでも下から読んでも『山本山』」なら、「XIX」や「XYVYX」は左から読んでも右から読んでも「XIX」「XYVYX」だ。

余談さておき、XIXについて、当時の資料をまる写しすると・・・

「『クルマとは、自分のライフスタイルに合わせて道具のように使いこなすもの』と考える人々に向けて提案する新感覚セダン。

日常生活での使いやすさ、運転のしやすさを追求しデザインした機能美溢れるスタイリングとゆったりとした室内空間、様々な工夫を施したトランクまわり等、機能性と実用性を最優先し、使うことの楽しさを徹底的に追求した。」

てっきり4人乗りピックアップの荷台にふたをおっかぶせ、RVユースにもなる新感覚の乗用風トラックの参考出品車と記憶違いしていた。XIX、ごめん! セダンだったんだね。

XIXリヤビュー。リヤドア付近は、この数年前に発売のラシーンに似ている。
XIXのインテリア(のスケッチ)。

でも、乗用か商用かの違いはあるにせよ、このたび新型となった三菱トライトンなんて、このXIXの思想を現代的にしたようにも思える。

参考出品から約30年を経て、いまでは同じグループとなった会社から、期せずしてXIXのコンセプトが甦ったと解釈したい。

【主要諸元】
■NISSAN XIX(第31回東京モーターショー参考出品(1995年)) 

●全長×全幅×全高:4650×1695×1500mm ●ホイールベース:2580mm ●定員:5名 ●エンジン:SR20DE

顔は愛敬のある丸目。

●日産KIX(2008年10月)

お次は2代め「キックス」。

こちらはご記憶の方も多いだろう。

ジムニーしか存在していなかった軽自動車界の本格4駆マーケットに殴り込みをかけた三菱パジェロミニのOEM版。

2代めパジェロミニのOEM版・日産KIX(2008年10月30日発表・発売)。

パジェロミニの初登場は1994年だが、日産にOEMされたのは、現行軽自動車規格にミートさせた1998年発売の2代めパジェロミニで、発売からさらに10年経過した2008年の大幅マイナーチェンジ版が「キックス」として投入された。この代では読みはそのままに、日産「KIX」と表記する。

インパネは当時のジムニーとよく似ている。
写真ではわかりにくいだろうが、ラダーフレームではない、モノコックボディで仕上げたのでジムニーよりフロアは低く、乗降はこちらのほうがいくらかしやすくなっていた。

初代パジェロミニも同じだが、2代めパジェロミニ=KIXは、ジムニーを競合視野に入れて本格4駆スタイルを採った割にラダーフレームを用いず、モノコックボディで成立させたのがジムニーとの大きな違い。だから最低地上高がジムニーの190mmといくらも変わらない195mmであっても、乗り込めばフロアはジムニーより低く、乗降性だってジムニーよりいくらか乗用車寄りだった。ということは、195mmの部位(たぶんフロントかリヤのデフ玉)とフロアの距離がジムニーの場合よりも近いわけだ(本格4駆としての良し悪しは別として。)。

別アングルより。

エンジンは当然660ccで、パジェロミニが自然吸気とターボの2種用意していたのに対し、OEM版のKIXはターボ仕様1種だけだった。

当時私は日産車に乗っていて、日産販社によく出入りしていたのだが、「日産でもパジェロミニを売るようになったようで、売るクルマが増えてよかったですね。車名は『キックス』だったかな。」といったら、日産が販社より先に世の中に発表していたものか、担当セールス氏もその他のひとたちも知らされておらず、びっくりされたことを思い出す。

販社が知らなかったことにこっちがびっくりしたヨ。

【主要諸元】
■日産KIX RX(4速AT・ABA-H59A型・2008年10月30日発表・発売) 

●全長×全幅×全高:3395×1475×1635mm ●ホイールベース:2280mm ●トレッド 前/後:1270/1270mm ●最低地上高:195mm ●車両重量:980kg ●乗車定員:4名 ●最小回転半径:4.8m ●タイヤサイズ:175/80R15 ●エンジン:4A30型(水冷直列4気筒SOHC・インタークーラーターボ付) ●総排気量:659cc ●圧縮比:8.5 ●最高出力:64ps/6000rpm ●最大トルク:9.0kgm/4000rpm ●燃料供給装置:ECI-MULTI(電子制御燃料噴射) ●燃料タンク容量:43L(無鉛レギュラー) ●燃料消費率(10.15モード):15.0km/L ●燃料消費率(JC08モード):13.8km/L ●サスペンション 前/後:独立懸架ストラット式/5リンクコイルスプリング式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング ●車両本体価格:159万1800円(消費税込み・当時価格)

KIXのリヤビュー。前も後ろも当時のジムニーとそっくりだが、本格4駆をサイズが限られた軽自動車で造るとなれば姿が似るのも当然だ。

●日産KICKS(P15型ブラジル版・2016年5月)

そして現行3代め。

いまのキックスが「KICKS」なのはご存じのとおり。日産のホームページを覗けば誇らしくe-POWERグループの一翼を担っている。

軽乗用車から5ナンバーサイズをスキップして、一挙3ナンバー乗用車にまでひとっとび。車両キャラクターはわかりやすくなったが、その生い立ちはけっこう複雑だ。

いまのKICKSが日本で発売されたのは2020年6月。私たち日本人には比較的新しいモデルに映るKICKSだが、どっこい、このKICKSの生産&発売は、日本発売からさかのぼること4年の2016年に、まずはブラジルで始まったのである。そのときのKICKSがこれだ。

ブラジル生産の日産KICKS(2016年5月)。
インパネは、ハンドル位置を除き、その後の日本仕様と大差ない。
それはインテリア全体も同じ。

【主要諸元】
■日産KICKS(ブラジル仕様・2016年5月3日ブラジル発表) 

●全長×全幅×全高:4295×1760×1590mm ●ホイールベース:2610mm

ブラジル版KICKSリヤビュー。

●日産KICKS(P15型日本仕様・2020年6月)

調べてみると生産拠点はその後メキシコや中国、タイにまで広がったようだが、察しのいい方は、さきの「日本で発売」のところでお気づきのはず・・・そう、いま売られているKICKSは、タイからの輸入車なのだ。日本向けにタイ製が選ばれたのは、e-POWER一本と決めた日本向けKICKSの生産なら、海外でe-POWERバッテリーを生産していたタイ工場が好都合だったからだろう。

日本向け生産を機に、見てくれをブラッシュアップ。

大きく変えたのはフロントマスクで、フードとフェンダーはそのままに、ライトを内寄りに延長して全体を切れ長にしている。グリルも下方に拡大。フード(とフェンダーも)が変わっていないのにライト形状を変えることができたのは、ライトをグリルとバンパーいっしょくたで変えたからだ。ライト輪郭線のうち、変わらないフード&フェンダーと隣接する辺は変えようがないが、他の辺は隣り合う先のバンパーもグリルも総取っ替えするわけだから、併せて自在に変えることができる。したがって、ランプ下辺は迷いなく削られ、アクセントでメッキパーツが添えられている。全体の形は同じでも表情が違うのはそのためだ。

ブラジル生産開始から4年も経って導入された日本仕様KICKS。パワートレーンはe-POWER1本に決め打ちされた。

オリジナルも単体で見れば押し出し感のある顔だろうが、Vモーションをより強調して目鼻立ちをくっきりさせた日本向けが隣に並ぶと途端に分が悪くなるのは気の毒だ。

このくっきりフェイスは日本向けを皮切りに、いまでは他国生産車にまで波及している。

日本版KICKSの写真はブラック内装のものをお見せしよう。

【主要諸元】
■日産KICKS X(日本仕様・e-POWER・6AA-P15型・2020年6月24日発表、同30日発売)

●全長×全幅×全高:4290×1760×1610mm ●ホイールベース:2620mm ●トレッド 前/後:1520/1535mm ●最低地上高:170mm ●車両重量:1350kg ●乗車定員:5名 ●最小回転半径:5.1m ●タイヤサイズ:205/55R17 ●エンジン:HR12DE(水冷直列3気筒DOHC) ●総排気量:1198cc ●圧縮比:12.0 ●最高出力:82ps/6000rpm ●最大トルク:10.5kgm/3600~5200rpm ●燃料供給装置:ニッサンEGI(電子制御燃料噴射) ●燃料タンク容量:41L(無鉛レギュラー) ●モーター型式:EM57 ●種類:交流同期電動機 ●最高出力:129ps/4000-8892rpm ●最大トルク:26.5kgm/500-3008rpm ●動力用電池:リチウムイオン電池 ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):21.6/26.8/20.2/20.8km/L ●JC08燃料消費率:30.0km/L ●サスペンション 前/後:独立懸架ストラット式/トーションビーム式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク ●車両本体価格:275万9900円(消費税込み・当時価格)

真っ黒だが、当然日本仕様にもタン内装のKICKSがある。

●もうひとつの日産KICS(P16型インド生産版・2018年10月)

さて、ここまでだけでもややこしいが、本当にややこしいのはここから先だ。

いま述べたKICKSは「P15」型と呼ばれるもので、日本仕様の現行KICKSも当然「P15」を掲げている。

ならばこのたびの新型は、常識的に考えると「P16」になりそうなものだが、おそらくは「P16」をすっとばして「P17」になるだろう。

というのも、いまのKICKSに「P16」がすでに存在しているからだ。

実はインド生産のKICKSが「P16」で、インドの日産のホームページを見るともう販売は終了しているようだから正しくは「存在していた」ということになる。

見た目は変わらなくとも型式が異なるということはどこか大きな部分が違うわけだが、このP16型KICKSは、P15型KICKSとはそもそも成り立ちから違っていて、ルノー系のダチアが持っているB0プラットホームを用いて造られたクルマだ。ために見た目はP15と変わらずとも全長と全幅がいくらか大きくなっている。

ダチアのB0プラットホームで構築されたP16型KICKSの姿がこれだ。

インドで生産されたP15・・・ではなく、P16型KICKS。見た目は同じに見えるが、よ~く目を凝らすと細部は違うのだ。

【主要諸元】
■日産KICKS(インド版P16型・2018年10月当時)

●全長×全幅×全高:4384×1813×1656mm ●ホイールベース:2673mm

プラットホームが違うので、実はこちらのほうが全長・全幅・ホイールベースがわずかずつ大きい。

ね? 見た目はほとんどおんなじでしょ?

寸法を日本的表記にするとサイズは4385×1815×1655mm、ホイールベースは2675mmとなるが、現行のP15日本版KICKSと比べると95mm長く、55mm広く、50mm低いことがわかる。ホイールベースなんか55mmも長いのだ。それでいて最低地上高はこちら170mmに対してあちら210mmと40mm高い。この差は現地の道路状況の悪さに配慮してのことだが、単純に考えるとボディは薄いということに・・・それでいて見た目はほとんど同じなのだから大したデザインマジックだ。

型式「P」といえば、私はおすぎとピーコを小さい頃からテレビで見ているのに、どちらがおすぎでどちらがピーコなのか、いまだ区別がつかないでいる。どっちが映画評論家でどっちがファッションチェックするんだっけ。

KICKSのP15とP16も同じだが、この2台の違いのわかりにくさときたら、おすぎとピーコどころのレベルではない。

アングルが異なるので単純比較はできないものの、写真を拡大してようやくわかったのは、

・フロントドア窓枠斜辺のドアパネルへの降り方ならびにフロントピラー形状が違う。
・インド版P16にはフロントドアガラスにパーテーションバーがある。
・ドアミラーの生え方が異なる(これは写真を拡大しなくてもわかる)。
・リヤドアキックアップの形が違う(ように見える)。
・ヘッドライトの形が違う(ように見える)。P15は上部にふくらみが与えられているようだがP16にはない。
・フード厚みが、P16のほうが大きい(ように見える)のと、ウインドウウォッシャーノズルがP16ではフード上にある。
・Vモーショングリルの幅が、P16のほうが広い(ように見える)。

「ように見える」ばかりなことから自信がないことがよくお分かりになったと思う。やっぱりおすぎとピーコ以上だ。

ほかにどんな違いがあるか、みなさん見つけてみてください。


「こんどの北米キックス、よーく考えたら4代め!全4世代・5種類の「キックス」を片っぱしから見ていこう」の1枚めの画像
ぜーんぶ「キックス」です。

おすすめテーマ

2024年03月31日のニュース

特集

クルマのランキング