「サウスポー」未発表バージョン初CD化
2008年08月28日 06:00
芸能
後に日本レコード大賞を獲得する「UFO」(77年)の次作として阿久さんが「いかなるものも歌にできる。野球だって歌にならないわけがない」と自信満々に作詞したのが未発表バージョンの「サウスポー」だった。
曲は実際に発売されたバージョンよりスローテンポの異なったメロディーで、歌詞には「背番号1」「フラミンゴ」「一本足」といった王貞治選手をイメージする言葉が出てこなかった。
このバージョンのレコーディングが終わり、阿久さんが一息ついていたところにピンク・レディーのディレクター・飯田久彦氏が訪ねてきて「これまでの作品に比べてスピード感がないから書き直してください」と頼み込んだ。結局、阿久さんと作曲家の都倉俊一氏は一晩で作り直したという。未発表バージョンのマスターテープは約30年間、横浜にあるビクターの倉庫に保管されていた。
「続・人間万葉歌」に収めるに当たり、ピンク・レディーの2人に聴いてもらったところ「覚えています」「これはこれで良い曲」とCD化への好感触を得たという。
「続・人間万葉歌」は阿久さんの作詞家生活30年を記念したCD14枚組「移りゆく時代 唇に詩」(97年発売、計261曲)の中から、前作の「人間万葉歌」に収められなかった曲を中心に選曲された。
フィンガー5の「学園天国」や沢田研二の「LOVE(抱きしめたい)」などのヒット曲のほか、本田美奈子さんのレアな名曲「おおらか~北国の窓の下で~」やジェロのトリビュート「本牧メルヘン」なども収められる。