マイケルさん多大な功績、全世界に黒人音楽

2009年06月27日 06:00

芸能

マイケルさん多大な功績、全世界に黒人音楽
1993年8月、シンガポールで公演するマイケル・ジャクソンさん
 文字通り一世を風靡(び)したマイケルさん。レコードの売り上げ枚数は、音楽史に残るほどの驚異的な数字を記録。また、「見せる音楽」としてプロモーションビデオの地位を確立、黒人音楽を世界中に広めるなど、音楽シーンに与えた影響は計り知れない。
 マイケルさんの作品を販売するレコード会社「ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナル」によると、アルバムやビデオなどの世界の総売り上げは7億5000万枚以上。「今夜はビート・イット」「ビリー・ジーン」といったヒット曲を収録したアルバム「スリラー」(82年発売)は全米チャートで37週にわたって1位を獲得。日本での売り上げは約250万枚、世界で計約1億500万枚に上った。その後も大ヒットを連発し、80年代後半の年収は1億2500万ドル(当時のレートで約167億5000万円)にまで上った。
 また、リズム感にあふれる音楽とともに、得意のダンスやプロモーションビデオなどで視覚に訴える「見せる音楽」でファンをとりこに。代表曲「スリラー」では、オオカミ男の特殊メークをしたマイケルさんがゾンビ姿のダンサーを引き連れて踊るプロモーションビデオが、音楽は聴くものという概念を覆した。つま先立ちで後ろ向きに滑るように踊る「ムーンウオーク」は当時、多くの人がまねをしてブームとなった。
 また、85年にはアフリカ飢餓救済のチャリティーで、故レイ・チャールズさん、スティービー・ワンダー(59)ら音楽界のそうそうたるメンバーが集結した「ウィー・アー・ザ・ワールド」制作の中心となった。
 米文学者の佐藤良明氏は「黒人音楽のグルーブ感を世界に広めた立役者と言っていい。アフリカ起源の音楽については、古くはルイ・アームストロングやジェームズ・ブラウンさんなど、独特の“歌って踊れる音楽”を一般化してきた先人たちの働きがあったが、その動きを仕上げた。それまでの白人音楽と黒人音楽の世界をつなげた」と功績を称えた。
【楽天】オススメアイテム