マイケルさん劇薬多量摂取?死因も壮絶人生

2009年06月27日 06:00

芸能

マイケルさん劇薬多量摂取?死因も壮絶人生
2002年4月、米カリフォルニア州パサデナで公演するマイケル・ジャクソンさん
 「スリラー」など世界的ヒット曲で知られ「キング・オブ・ポップス」と呼ばれた米歌手マイケル・ジャクソンさんが25日午後2時26分(日本時間26日午前6時26分)、米ロサンゼルス市内の病院で死去した。50歳。心不全とみられるが、死因は不明。日本で劇薬指定されている鎮痛剤を多量摂取したとみられ、度重なる整形手術で患った皮膚がんが起因する可能性が浮上。検視局が死因の特定を急ぐ中、ロス市警殺人課が捜査に乗り出した。
 スーパースターの光と影を象徴し、存在そのものが事件だったマイケルさん。その最期も世界中を騒然とさせる謎に包まれた“事件”となった。
 兄のジャーメイン・ジャクソン(54)らによると、25日午後0時20分、ロス西部の高級住宅地ベルエアにあるマイケルさんの自宅から消防局に救急出動を要請。到着時は既に呼吸がなく、救急車内で心肺蘇生(そせい)措置を受けながら3・5キロ離れたカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)付属病院に搬送された。検視局は「突然の心停止が起きた」としている。
 英大衆紙「ザ・サン」(電子版)によれば、麻薬性の鎮痛剤「デメロール」を注射後に呼吸が弱まったとされる。日本で劇薬指定されている合成麻薬。どんな状況で、なぜ打つ必要があったのかなど疑問があり、捜査当局はロス市警殺人課が捜査に乗り出したことを公表。「有名人の死亡事案ゆえの捜査。現段階で事件性を示す証拠はない」としながらも遺族や友人から事情を聴くという。
 遺体は25日夕、病院からロス市内の検視局にヘリコプターで移された。26日に遺体の解剖が行われ、死因の特定には6~8週間かかる見通し。来月13日からロンドンで始まる生涯最後のツアー50公演を予定していた中での不審死はさまざまな憶測を呼びそうだ。
 世界で計7億5000万枚以上のCDなどを売り上げ、ギネスに「史上最も成功したエンターテイナー」と認定されたマイケルさん。私生活では度重なる整形手術や少年への性的虐待罪に問われた裁判などスキャンダルや奇行で騒がせ、波乱に満ちた生涯だった。
 最後に話した芸能人は子供時代からの友人でマイケルさんの子供の名付け親でもある英俳優マーク・レスター(52)。「2、3日前に話した時とても元気だった。コンサートに向け一生懸命に取り組んでいたのに信じられない」と、その死に強い疑問を持っている。
 薬物依存症になった端緒は、84年のCM撮影中に事故で大やけどを負ったこと。皮膚移植手術を受けた際、痛みを抑えるための薬が病みつきになったとされる。
 93年には皮膚の色素を作るメラニンが失われていく「尋常性白班」という皮膚病との診断を受けた。最近では遺伝子疾患の「アルファ1型アンチ・トリプシン欠乏症」を発症し肺が破壊され、整形手術の際に抗生物質の効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染したと報道された。深刻な皮膚がんともいわれ、痛みを抑えるためデメロールを常用していたともみられる。
 ラストコンサートへ向けて状態は万全とはいえず、巨額の損失を負う可能性もあった中での謎の死。側近らによれば常用していた薬物は7種類。この早すぎる死が「伝説」を守ったことだけは間違いない。

 マイケル・ジャクソン  1958年8月29日、米インディアナ州生まれ。69年「ジャクソン5」としてメジャーデビュー。当時11歳。72年ソロデビュー。82年のアルバム「スリラー」は現在までに人類史上最大セールスの1億500万枚。84年のグラミー賞で史上最多8部門を獲得。94年5月、故エルビス・プレスリーの娘リサ・マリー・プレスリーと結婚したが、96年1月に離婚。同年11月、看護師のデビー・ロウさんと再婚し、99年10月離婚。ロウさんらとの間に3人の子供がいる。歌手のジャネットは実妹。
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