新藤監督 自らの経験映像化「言い残したことはないか?と」
2012年01月18日 06:00
芸能
「今日はお祭りですが あなたがいらっしゃらないので なんの風情もありません」
亡き戦友から見せられた妻からのハガキにはそう書かれてあった。召集された100人のうち、クジ引きで任地が決められ、生き残ったのはわずか6人。その1人だった新藤監督が実際に見た“事実”をベースに映像化した。「94人の犠牲があったから自分は仕事をしていられる。それがずっと重く肩にかかっていた。98歳になった時に、言い残したことはないか?と自問自答し、これを映画にしたんです」
一粒の麦が生育する姿に託して、戦後を生きる人間のたくましさも描いたが、新藤監督は「戦争はやっちゃいけない」と力を込めた。4月22日で100歳。次がちょうど50作目となるが「そういきますかね」とニヤリと笑った。