異質な“マツコ番組”が人気のワケ どう使えば面白いかを追求
2015年06月10日 10:30
芸能
座っているマツコしか見たことのない視聴者にとって、照明もおぼつかない闇夜をマツコが歩いているというだけで新しさ。加えて、街中の人々との交流を通してマツコの博識な部分や、鋭い突っ込みが発揮され、深夜番組で低予算ながら設定の妙が功を奏した斬新なバラエティ番組となっている。
土曜午後11時から放送中の「マツコとマツコ」は、マツコの等身大アンドロイド=マツコロイドを作成し、それに接した人々の反応を楽しむ世界初のアンドロイドバラエティー。マツコロイドが出張し人生相談を行なうなど “異質な画面”“一般人と交流”という設定は「夜の巷を~」と同じだが、マツコロイドの製作者でロボット工学博士の石黒浩教授とともに、アンドロイドというフィルターを通したときの人間の行動を検証・考察するという部分がこの番組の特徴だ。毎週マツコロイドに新しい言語や仕草など新機能を追加することで、マツコロイドの成長も楽しめ、奇をてらいすぎて“出落ち”になりがちな設定を克服している。
データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)の満足度調査によると、「夜の巷を徘徊する」が平均3・83(5段階評価・4月初回分から集計)、「マツコとマツコ」が3・72と、高満足度の基準3・7を上回り、視聴者の評価も高い。マツコは、地上波のレギュラーバラエティー8本中(MXテレビ放送の「5時に夢中」を除く)5本が平均満足度3・7を超える。
これだけのレギュラーを抱えながら多くの高満足度番組となるのは、マツコの技量だけに頼らず、マツコをどう使えば面白い番組になるのかを、制作者が追求し続けた結果とも言えるだろう。マツコという存在を通して、新しいバラエティー番組の形をどんどん発見していってもらいたい。