松重豊が初のナビ役 ブラジル人情紀行「悲劇を喜劇に変える力が」
2016年07月17日 09:00
芸能
ブラジルっ子も大好きな巨大サンドイッチや、子牛1頭を丸ごと焼いたシュラスコ、極甘コーヒーなどのグルメ紹介のほか、日系人とのふれあいも見どころのひとつ。「日系の方は、ブラジルで100年以上、生活を根ざしてきたが、一人ひとりの足跡が面白くて」。日本人街を訪れたときに出会ったプロ野球・巨人の帽子をかぶった老齢の占い師、不動産業を営む兄弟…。それぞれに、すさまじい人生歴史があるのだが「絶望の淵に追いやられた人に対して寛容な明るさがあって。日本にいたら悲劇にしかならないものも喜劇に変えてしまうエネルギーがブラジルの土壌にはある」と実感。心が折れそうになる瞬間も多い日本、何も保障のない芸能界に身を置く自身にとっても「ブラジルに行くと元気になれるんじゃないかという不思議な感覚があった。くじけそうになったらまた風を浴びに行きたいと本当に思っています」としみじみ話す。
「巨人の帽子をかぶったおじさんの、決して悲壮感がなく明るい雰囲気。あの役をやるとしたら、僕にはまだ経験値が浅い。もっと経験を積まないといけないなと…」。収穫とともに、役者としてしっかり宿題も見つけた今回の旅。最後は「食べ物への興味を持ってほしいし、ブラジルが日本人にとって身近であることを実感していただければ」と締めくくった。