「シン・ゴジラ」賞総なめの背景「怪獣映画を作っているつもりではなかった」
2017年03月15日 10:00
芸能
特撮・怪獣作品が最優秀作品賞に選ばれるのは初めて。樋口真嗣監督(51)が受賞スピーチで開口一番、「みんな怒ってませんか?大丈夫ですか?」と会場の反応をうかがうほど、前例のない快挙。会場からは温かい拍手が送られていた。
「シン・ゴジラ」は日本アカデミー賞だけでなく、毎日映画コンクールやブルーリボン賞など数々の映画賞を総なめにし、興行収入も80億円を超える大ヒット。その要因は、“特撮映画”や“怪獣映画”の枠を超えて、幅広く観客を楽しませたことにある。樋口監督は「自分たちが一番、怪獣映画を作っているつもりではなかった。一般の映画として作って、恋愛や犯罪と同じように事件として怪獣が現れるとなったらどう構築していくかと考えたんです」と説明。1954年の「ゴジラ」誕生以来、国内でシリーズ28作が製作されてきたが「“怪獣映画は今までこうやってるからこうしよう”ということを全部リセットした形でやりました」と振り返った。
フルCGで描かれた史上最大の体長118・5メートルのゴジラに負けないほど、長谷川博己、石原さとみ、市川実日子らが演じたキャラクターが個々に光り、話題になったこともそれを物語る。最優秀賞は逃したが、優秀主演男優賞を受賞した長谷川や、優秀助演女優賞の石原、市川も壇上で感激の面持ちだった。(記者コラム)