恐るべき進化を果たした「ガンプラ」30年以上かけ開発した“シビれるポーズ”
2017年05月06日 11:00
芸能
記者が手にしたのは、当時ブームになった“ファーストガンダム”に続くアニメ第2弾「機動戦士Zガンダム」(1985〜86年放送)の主役機「ゼータガンダム」の144分の1モデルだ。4月にリニューアル発売されたもので、詳しくはスポニチアネックス「アニメ研究部」5月2日付記事に書いた。
今もデパートや家電量販店に行くと、模型コーナーに吸い寄せられるように入ってしまう。あれこれ手に取り、ウットリしてしまう。だが自宅の押し入れに新品のまま積み上がる箱を思い出すと“ストップ”が掛かる。社会人になってからもプラモを細々と作ってはいるが、遅々として進まない。店頭で箱に描かれた絵や説明をながめ、作った気になる数十年を過ごしている。
そんな“箱絵モデラー”として、ガンプラの進歩も見続けてきた。
80年代のブーム当時、アニメの中の“決めポーズ”を取らせようと苦労したものだ。ガンダムは人間のように動いていた。金属製のはずの体はよじれ、腕はしなっていた。アニメでみる関節構造では、不可能に思える動きが多かった。
だが今のガンプラは違う。プロポーションや関節の構造、ポージングの幅広さは感動すら覚えるほどで、当時の少年がシビれたポーズが本当に取れてしまう。それはバンダイの30年以上に及ぶ努力のたまものだ。同社の技術者たちは、関節や変形機構のギミックを研究し続け、新技術を次々に投入し、想像上のロボットを“現実”のものとしたのだ。
人型ロボットの研究で、日本は世界をリードしているという。背景には日本で独自の発展を遂げたロボットアニメの影響があるとの見方があるが、ガンプラの進化をみれば納得だ。日本の研究者には、少年時代にガンダムやアトムなどのアニメファンだった人も多いと聞く。
人工知能(AI)搭載で、人間の問い掛けに反応し、二足歩行できる「鉄腕アトム」が販売されて話題を呼んでいる。もちろん、まだできないことも多いが、できることの多さに驚く。
人間が乗って操縦する人型ロボットも現実のものになり始めている。さすがに動く“実物大ガンダム”はまだ想像できないが、いつか実現してしまうかもしれない。プラモの「Ζ」に触れながら、そんなことを考えた。