「池の水ぜんぶ抜く」“外来種ハンター”加藤先生が語る魅力「教材としても価値ある」
2017年11月24日 08:00
芸能
“池の水を抜くだけ”の異色の試みが話題となっている同番組だが、池の中に潜む外来種の駆除を行うことで環境改善にも貢献している。加藤氏は「とても教育的な要素が強い」と番組の特徴を力説する。
「バラエティー番組として楽しみつつ、子供たちが自然を学ぶことができるのは大きいですね。番組のおかげで身近にある自然を少し覗いてみようかなと思う子供たちが増えているような印象を受けています。身近な環境が外来種に脅かされている現状を知ることができますし、水を抜くことによって環境保全にもなる。かなりいい番組だと感じています」。
カメやトカゲの保全生態学的研究を行いながら、勤務する静岡大学などで環境教育活動を行っている加藤氏。同番組は講義の資料としても役立っているという。「番組を教科書と一緒に見せることもありますよ。教材としても非常に価値があります。私が教えているのは教育学部なので、学生たちは将来、教員になると思います。教員になった時に(自然についての)現状を知っている人が教えることが大切です。この番組を見れば、外来種問題など身近に起こっている課題というものを知ることができますよね」
番組出演以前から外来種問題に警鐘を鳴らし続け、それまでは一人で外来種を取り除くこともあったという。「でも、一人で外来種を駆除してもイタチごっこなんです。駆除をしても、地元の人から『きのうアカミミ亀を3匹捨てに来ていた人がいたよ』と言われたこともありました」と苦労を明かす。
だが、同番組のヒットによって外来種に対する関心が以前よりも高まっている。「メディアにお世話になりながら外来種問題を啓発することが大事だと痛感しました。例えば、カミツキガメが捕獲されましたというニュースが紹介されるだけでも、“身近にいる亀は何という種類なのだろう”とか、“通報しなければいけないのかな”と思っていただけるかもしれません。メディアの力を借りて外来種問題を解決できればと思っています」と願った。