2017年次々旅立った昭和のスターたち 梅宮辰夫ポツリ「寂しくなってきたな」
2017年12月26日 10:00
芸能
銀幕の大スターがまさに星のように輝いていた時代。松方さんのお酒や女性関係にまつわる豪快な伝説も、昭和ならでは。「今の芸能界は羨望(せんぼう)の的になるようなものが何もない。“今みたいな芸能界だったら僕らは入らなかったね”と松方と話したこともありました」と時代の変化に寂しそうな表情を見せた。
松方さんは釣りで世界中の海を回った盟友。「山城新伍(さん、09年死去)と松方弘樹のことはしょっちゅう思い出します。あいつらが生きててくれたら俺ももっと元気が出るのにって思いますよ」とぽつり。親友に先立たれ「向こうと特別な通信方法があって、あいつらと意思の疎通ができればいいのにと思います」と喪失感の大きさを明かした。
自身は昨年7月に初期の十二指腸乳頭部がんで手術を受け、定期的に検診を受けており「車でいえば20回くらい車検を取ってる状態。どこがガタンとなってもおかしくない」と笑う。来年は東映ニューフェイス合格から60年で、80歳の節目の年。1月24日に新曲を収めた記念アルバム「梅宮辰夫ザ・ベスト」を発売するなど活動は精力的だ。亡くなる直前まで作品に出演し続けた、渡瀬さんや野際さんを「うらやましいし、偉い」と称え、自身も“昭和スター”の気概を見せる。
◆今年亡くなった主な著名人◆
≪私生活でも豪快≫松方弘樹さん(享年74、俳優)1月21日死去。「仁義なき戦い」などの東映ヤクザ映画や時代劇中心に活躍。私生活も豪快な昭和のスターだった。
≪「おヒョイさん」≫藤村俊二さん(享年82、俳優)1月25日死去。ドラマやバラエティーなど多方面で活躍。物腰柔らかな人柄で「おヒョイさん」の愛称で親しまれた。
≪映画ファン魅了≫鈴木清順さん(享年93、映画監督)2月13日死去。「東京流れ者」「ツィゴイネルワイゼン」などの作品は世界の映画ファンを魅了。90年に紫綬褒章。
≪昭和歌謡の巨匠≫船村徹さん(享年84、作曲家)2月16日死去。「王将」「兄弟船」など昭和歌謡のヒット曲多数。北島三郎の師匠としても知られる。昨年文化勲章受章。
≪日本音楽けん引≫ムッシュかまやつさん(享年78、歌手)3月1日死去。「ザ・スパイダース」のメンバー。日本音楽シーンのレジェンドとして活躍した。
≪欠かせぬ名演技≫渡瀬恒彦さん(享年72、俳優)3月14日死去。「仁義なき戦い」や「十津川警部」など映画や数々のシリーズドラマに多数出演した。兄は俳優の渡哲也(75)。
≪漫才から女優へ≫京唄子さん(享年89、女優)4月6日死去。鳳啓助さんとの夫婦(めおと)漫才で人気に。鳳さん死後は女優として活躍。代表作は「渡る世間は鬼ばかり」。
≪“ウルトラの母”≫ペギー葉山さん(享年83、歌手)4月12日死去。昭和20年代から活躍。「学生時代」などヒット曲多数。ウルトラの母を演じたのも有名。04年に旭日小綬章。
≪昭和の「爆笑王」≫三遊亭円歌さん(享年88、落語家)4月23日死去。「中沢家の人々」などの新作ネタで人気となり、昭和の演芸界を支えた。初代林家三平さんは盟友。
≪印象的な母親役≫野際陽子さん(享年81、女優)6月13日死去。元NHKアナウンサー。ドラマ「ずっとあなたが好きだった」「トリック」などで印象的な母親を演じた。
≪ブログで家族愛≫小林麻央さん(享年34、フリーアナウンサー)6月22日死去。歌舞伎俳優・市川海老蔵(40)の妻。闘病と家族への愛をつづったブログは世界中から称賛。
≪和製プレスリー≫平尾昌晃さん(享年79、歌手)7月21日死去。日本のロカビリーブームの立役者。昭和30年代には「和製プレスリー」として活躍した。03年に紫綬褒章。
≪珍解答で人気者≫篠沢秀夫さん(享年84、大学教授)10月26日死去。「クイズダービー」での珍解答で国民的人気に。晩年は筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘った。
≪お正月の風物詩≫海老一染之助さん(享年83、曲芸師)12月6日死去。兄・染太郎さんと、傘の上で何でも回す「太神楽(だいかぐら)」を披露。正月の風物詩だった。
≪愛される“毒舌”≫野村沙知代さん(享年85、タレント)12月8日死去。プロ野球元監督の野村克也氏(82)の妻。愛称は「サッチー」。歯に衣(きぬ)着せぬ発言で人気だった。