野木亜紀子氏「アンナチュラル」“映画1本分”満足感生む密度 スピード感と展開力で脚本高評価
2018年02月03日 13:40
芸能
野木氏は視聴者の絶賛の声にも、「連ドラは最後まで分からないので、手応えはまだ感じていないです」としつつ、「物語の密度を高めていったことで“映画一本分”という言われ方をされるに至ったと思います」と分析。「映画っぽいものを目指したわけではなくて、物語の密度を高めていくことを念頭に置きました。 “スピード感”を大切にして、あとは『これがああなって、そうなるの?』という展開重視で見せていこうとしました」と脚本の狙いを説明した。
他ドラマとの違いについては「普通の日本の推理ドラマだと、たとえば容疑者が4人いて、どの人が犯人でしょう?となって、最後に犯人が分かって、解決編パートで動機を話して…となると思うんですけど、そういうドラマは他に任せておけばいい。法医学ミステリーと銘打ってるけど、推理ドラマではなくクライムサスペンスに近いものになっていると思います」と表現した。
たとえば初回、序盤は死者の高野島渡(野村修一)の婚約者で劇薬毒物を扱う開発者・馬場路子(山口紗弥加)による毒殺疑惑を軸にストーリーが展開。解剖と調査の結果、高野島がMERSコロナウイルスに感染していたことが判明し、高野島は死人でありながら、中東からウイルスを日本に持ち込んだ“容疑者”としてバッシングされることとなる。さらにその後、高野島は日本国内の病院で院内感染していたことが明らかに。二転三転する展開で視聴者の目を釘付けにした。
「各局のプロデューサーやディレクターからも反響があった」と業界でも評価の高い「アンナチュラル」。視聴者を巻き込みながらスピード感を持って展開していく野木ワールドを、初タッグを組む新井順子プロデューサーも「展開もしかり、会話もしかり、テンポが素晴らしい」と絶賛。同氏は「王道スタイルだけではなくて、『こう来たか』という変化球もある」と今後のストーリー展開を予告。ドラマから目が離せない金曜の夜が続きそうだ。