久石譲氏 高畑さん悼み涙「高畑さんは僕の中では生きています」

2018年05月15日 11:48

芸能

久石譲氏 高畑さん悼み涙「高畑さんは僕の中では生きています」
高畑勲さんのお別れの会で、別れの言葉を述べる久石譲氏(右) Photo By 提供写真
 4月5日に肺がんのため死去したアニメーション映画監督の高畑勲さん(享年82)のお別れの会が15日、東京都三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館で営まれ、山田洋次監督(86)、押井守監督(66)、岩井俊二監督(55)、女優の宮本信子(73)、竹下景子(64)、瀧本美織(26)、俳優の柳葉敏郎(57)、益岡徹(61)ら多くの関係者が参列した。
 宮崎駿監督(77)が「お別れの会」委員長を務め、開会の辞を担当。ジブリ作品で多くの音楽を担当した久石譲氏(67)らがお別れの言葉を送った。お別れの歌は「かぐや姫の物語」で主題歌を担当した二階堂和美(44)。鈴木敏夫プロデュサー(69)が主催者代表のあいさつを行った。

 久石氏は高畑さんがプロデュースとして参加した「風の谷のナウシカ」以来の付き合いで、「かぐや姫の物語」でも音楽を担当した。久石氏は「いろいろありがとうございました。この10年間は東京でのコンサートはほとんど来ていただいて、本当に音楽も詳しくて、去年は長野で一緒に対談し、現代音楽も一緒に聞いていただいて、本当に音楽に対して詳しい方でした」とし、「かぐや姫の物語」の制作時に「(ブラームスの)第4楽章のここがいいんですよ」と話していたことを振り返り、「世界の監督の中でそういうことを言える監督は誰もいないと思う。それぐらい音楽に詳しく、造形が深い、僕はそういう人に会ったことがなかったです」としみじみ。「風の谷のナウシカ」の制作については「音楽の方は高畑さんが面倒をみていて、本当にいろいろ長時間のミーティングをし、ずっと音楽のことでお話させていただいた。7時間以上のミーティングが何回も何回もあってどこまで話すんだ!(と思った)」と振り返り、「僕も高畑さんと戦って、『ナウシカ』ができた。当時無名だった僕を起用していただいた、。今日があるのが高畑さんのお陰です。世界中の人に歌ってもらっている『君をのせて』という曲は宮崎さんと僕と、高畑さんがいなかったら完成しなかった曲です。長い間、本当にお世話になりました」と高畑さんに感謝した。

 「最後に「かぐや姫」の音楽を担当させていただいて、光栄に思っています。一緒に仕事をさせていただいて、本当に誇りに思っています。高畑さんは僕の中では生きています」と言葉をつまらせ、「本当にお疲れ様でした。お別れは言いません、心からご冥福をお祈りしますが、またいつか、どこかで会いましょう」としのんだ。

この記事のフォト

【楽天】オススメアイテム