加藤剛さん次男が明かす“師匠”への思い “最期まで憧れの父だった” 3月にがん発見も復帰目指し闘病
2018年07月10日 05:30
芸能
亡くなった6月18日は朝から会話もでき、普段と変わらなかったが、容体が急変。午前10時11分、家族にみとられながら眠るように息を引き取った。頼は「静かに苦しまず、表情も、とても穏やかだった」。故人の意向で葬儀は家族葬で営まれ、棺には家族写真が納められた。
最後の父子の会話は4日前の14日。頼が15〜17日に埼玉で舞台出演があることを伝えると、剛さんは「仕事ができていることは幸せなこと。心配かもしれないけど、気にしないで務めてきなさい」と送り出した。
言葉ではなく背中で見せる優しい父親で、「一度も怒られたことがない」という。自分に厳しく、他人に対してはいつも敬意を持って接していた。「年下の役者の舞台を見て“凄いな”と言う。上に立って芝居を教えるスタンスを取ったことがない。むしろ“どう見える?”とアドバイスを求めてくる」と、初心を忘れずに常に全力で役に挑んでいた。
頼は父に憧れて役者を目指し、同じ俳優座に入った。「何度も共演して、貴重な経験をさせてもらった」。最後の共演は、昨年1月放送のNHK―BSプレミアムの時代劇「大岡越前」スペシャル。頼がレギュラー出演していた同作に、TBSの「大岡越前」で親しまれた加藤さんがゲスト出演した。「父が何度も撮影した京都で、大岡越前という作品で、同じカメラの前に立てた。時間がたてばたつほど、大切さが身に染みると思う」とかみしめた。