52歳整体師が紅白参戦?「大島エレジー」でメジャーデビューの奄美3世、「西郷どん」に三味線で参加

2018年08月15日 09:54

芸能

52歳整体師が紅白参戦?「大島エレジー」でメジャーデビューの奄美3世、「西郷どん」に三味線で参加
52歳でメジャーCDデビューしたタナカアツシ。NHK「西郷どん」のサントラにも奄美三味線奏者で参加している Photo By スポニチ
 奄美群島にルーツを持つ52歳が発表した遅咲きのメジャーデビュー作「大島エレジー」が話題を呼んでいる。都内で整体師として働くタナカアツシが、沖縄と混同されがちな奄美の悲哀を歌ったコミカルな曲だ。奄美も舞台のNHK大河ドラマ「西郷どん」の劇中演奏のオファーが舞い込むほど影響も拡大。「奄美の素晴らしさをもっと知ってもらいたい」と話している。
 タナカは喜界島出身の祖父を持つ「奄美3世」。45年に上京し、島唄を演奏していた祖父を尻目にバンドに傾倒したが、98年に祖父が死去したのを機に島唄を独学。翌年から三味線奏者として演奏を始めた。

 デビュー曲となった「大島エレジー」は、昨年、昭和歌謡をヒントに作詞作曲。♪沖縄じゃないの〜――という印象的な出だしと、愛情たっぷりに奄美の悲哀を歌う楽曲だ。今年3月にはメジャーデビューが決定。6月13日にデジタル配信を開始すると、iTunesの歌謡曲チャートで、故西城秀樹さんのアルバム2作に次ぐ3位に浮上した。

 今月には、約500人が集まる毎年恒例のイベント「島唄のど自慢大会」が都内で開催され、「大島エレジー」を歌った参加者が優勝し人気に火が付いた。ライブの集客が口コミで増える中、「西郷どん」の音楽担当者が来場し、タナカの腕を見込んで劇中での三味線演奏者に起用。大河放送で奄美への注目度が上がる中、“橋渡し”的な役割を担いつつある。

 さらに注目を集めるのは異色の経歴だ。本職はミュージシャンではなく、93年から東京都大田区で「タナカ均整医院」を営む現役の整体師。仕事のかたわら、喜界島をルーツとする奄美島唄の第一人者、朝崎郁恵氏に師事し、腕を磨いてきた。

 整体師になる前は、「イカ天」の略称で知られるTBSの伝説のオーディション番組「三宅裕司のいかすバンド天国」に出演した過去もある。90年10月にバンド「ラッキーズ」の一員として、審査員特別賞を受賞した。

 タナカは「今年は奄美が何かと注目されますが『大島エレジー』がもっと奄美の素晴らしさを知ってもらえるきっかけになれば」と意気込み。「年末は紅白目指して頑張りまーす!」と、“西郷どん効果”でのNHK紅白歌合戦参戦も目指す。

 ◆タナカアツシ 1965年(昭40)10月18日生まれ、東京都出身の52歳。小学生でギターを始める。99年に奄美三味線を本格的に開始し、島唄ユニット「マブリ」や島唄バンド「Theワレンキャ」を組み活動する。14年にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に役者として出演した。

 ≪「たま」など輩出の「イカ天」にも出演≫「イカ天」は毎週最も優れたバンドを「イカ天キング」に選出し、5週勝ち抜くとメジャーデビューというルール。BEGINやブランキー・ジェット・シティーら5週勝ち抜き組以外にも、「夏祭り」で知られるジッタリン・ジンなど多数の人気バンドを輩出した。4人組「たま」が番組で披露した「さよなら人類」が90年に大ヒットするなど社会現象ともなった。

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