博多華丸が語る「あさイチ」朝ドラ受けの裏側 10秒前に決定「漫才直前の舞台袖」「半分、青い。」に縁
2018年09月24日 10:00
芸能
華丸・大吉と近江アナは3月30日、井ノ原・有働アナ・柳澤氏の卒業回に生出演。井ノ原が「朝ドラ受けはやっても、やらなくても、それは3人の自由」と言うと、大吉は「(周囲から)一番言われましたね。朝ドラ受けはやるの?と。やりたい気持ちもあるし、同じことをやったら、前の方が良かったと絶対言われるし」と悩める胸中を吐露したが、2代目キャスター就任初回の4月2日から継承した。華丸は「大吉さんの中では、たぶん朝ドラ受けはしないつもりだったと思いますよ。朝ドラに限らず、僕が本当にドラマ好きなので、熱意が通じたんじゃないですかね」と振り返った。
今月中旬には、華丸に会いたかったという「半分、青い。」の脚本・北川悦吏子氏(56)との約30分にわたる対談も実現し「光栄」(21日の「あさイチ」で放送)。北川氏からは「朝ドラ受けは、本当に好きなことをおっしゃってください」と“お墨付き”ももらったが「とんでもございません。作品に対して偉そうなことを言える立場じゃなく、もう本当にリスペクトしかありませんから」と恐縮した。
毎朝、朝ドラ受けに臨む心構えは「朝ドラ受けに限らず、僕の基本的な姿勢としては『波風を立てないように』を常に心掛けています。自分の家で見ているように、穏やかに感想を言おうという気持ちでやらせていただいています」。それに加え「視聴者の皆さんも朝は忙しいわけですから、集中して見ている人もいれば、家事などをしながら“斜め見”している人もいる。“斜め見”ぐらいの人と会話を交わすような感想でいいんじゃないかと思っています。毎回毎回、あまり深くツッコミを入れても」と、さじ加減を明かした。
華丸は早めに局に入り、BSプレミアム分(月〜土曜前7・30)と本放送の2回を視聴。朝ドラ受けの有無は、その日の「あさイチ」が始まる10秒前に決まるという。大吉が「今日ある?」と振ってきて、華丸が「ないこともない」「今日は言わせてくれ」などと応じる。「僕の熱量によって決まる感じ。劇場で漫才をやる時の出番直前の舞台袖、大吉さんと『今日はあのネタで』とやり取りするのに近いです」。実際、漫才を見るようだと伝えると「そう受け取っていただけると幸いです」と顔がほころんだ。
朝ドラは中学1年の時に放送された「おしん」(1983年4月〜84年3月)、斉藤由貴(52)のファンだったため「はね駒」(86年前期)などが印象に残り、地元・福岡が舞台になった「走らんか!」(95年後期)は「僕らが吉本に入った(90年)後で、携わりたかったんですが、携われなかった。うらやましかったですね。あまりにも携わりたかったので『走らんか!2 記者発表』というコントを作ったぐらいです」。「あまちゃん」(2013年前期)から朝ドラにハマり「朝ドラがしっくりくる年齢になってきたのかもしれないですね」
「ムービングサーズデー」は「何となく木曜日に問題が勃発して、金曜日はジラして、土曜日に解決、来週に続くというイメージがあったので、どこかで言いたいと思っていました」。第46話(5月24日)、菱本(井川遥)は「少し、旅にでる」と姿を消した秋風(豊川悦司)を心配し、涙。律(佐藤健)が菱本の背中に手をやり、慰めているところを目撃した鈴愛(永野芽郁)は「ふぎょぎょ」と驚く。大吉が「いつの間に仲良くなったの?」と不思議がると、華丸は「今日、急に。僕の中では、ムービングサーズデー」と“造語”を発した。もともとは、マスターズなどゴルフのメジャー大会で「3日目の土曜日に順位が大きく動く『ムービングサタデー』という言葉があって。そこから拝借しました」
一際、話題を呼んだのが「プロポーズのオフサイド」。第73話(6月25日)、鈴愛と律は岐阜・夏虫駅のホームで5年ぶりに再会。律は「鈴愛、結婚しないか」とプロポーズしたが、不意の出来事に映ったため、華丸は「だって(鈴愛が)笛を吹いて呼び止められんかったら(律は列車に乗ってしまい、駅に)いなかったわけでしょ?(律は)帰る予定やったやん。なんで、あんな急に。これはおかしい。オフサイドだ。プロポーズのオフサイドだ」と驚きながら語った。
「ちょうどサッカーのワールドカップ(ロシア大会)が開催中だったので。鈴愛にすれば(プロポーズを受ける)準備もしていないし、ゴール前にパスを出されても、それはオフサイドでしょと。律の唐突なプロポーズは反則だと思ったので、サッカーのペナルティーといえばオフサイドということで、自然と出ました」
数々の絶妙なツッコミに「朝ドラ評論家」の呼び声も高いが「大吉さんがそう言うからですよ。とんでもございません」と謙遜し「『朝ドラおじさん』ぐらいがちょうどいいです」と笑いを誘った。
70年生まれの華丸にとって、71年生まれのヒロイン・鈴愛には親近感が湧く。「朝ドラは明治や大正、戦後を舞台にした作品も多いですが、僕らが初めて『あさイチ』を担当することになって最初の朝ドラが、まさか“同世代”とは。すごく縁を感じましたし、ハマらないわけがないと思います」
「半分、青い。」の終盤や朝ドラ受けの今後について尋ねると「プランみたいなものは特にないんですが、最終回は土曜日なので受けがないですよね。そこが朝ドラ受けの妙味かもしれません。10月からの『まんぷく』も楽しみですし、大河ドラマも佳境ですから、忙しいんですよ。律は扇風機を作っていますが、僕の中ではパンも焼いていますからね(TBS「義母と娘のブルース」で佐藤健演じる麦田がパン屋店主)。朝ドラに限らず、ドラマの話を女性とするのが好きなんです。それこそ『たまむすび』(TBSラジオ)でご一緒している赤江(珠緒)さんや『有吉ゼミ』(日本テレビ)でご一緒している水卜(麻美)さんと『あれ、見た?』と。OLさんの給湯室みたいなものを、朝ドラでさせていただいていると思っているので、それほど深いことは考えていません。波風立てずに、と思っていますが、ただただ、あふれ出る感想がちょろっとオンエアに乗っちゃっている感じですかね。たまに吹き出す、パンパンに水が入ったやかんみたいなものです」。今後も朝ドラ本放送と朝ドラ受けをセットにして楽しみたい。