中川大志 iPadに描くアート、俳優業に通じる“見る側”の意識 夢は「いつか映像作品の監督に」

2019年02月12日 09:30

芸能

中川大志 iPadに描くアート、俳優業に通じる“見る側”の意識 夢は「いつか映像作品の監督に」
筆を手にポーズを決める中川大志(撮影・吉田 剛) Photo By スポニチ
 【夢中論】爽やかなルックスでドラマや映画、CMと幅広く活躍する俳優の中川大志(20)。私生活では釣りやカメラなど多くの趣味を持つ。その中でイマドキの若者らしい趣味が、iPadを使って絵を描くこと。タブレット端末と電子ペンを持ち歩き、空いた時間に手軽に静物画や似顔絵を制作している。
 フジテレビ連続ドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」の撮影現場。楽屋に戻ると、かばんからiPadのタブレット端末と電子ペンをサッと取り出す。「色鉛筆も絵の具もキャンバスもいらない。場所を選ばず、その場ですぐに描けるのがいいんですよね」

 少し前に描いたのがリンゴの絵。構図を決めると、画面の中から鉛筆ツールを選択し、まず下書き。消しゴムツールを使えば、修正も自由自在だ。次は筆ツール。無数にある色の中から「これかな〜」と吟味して塗っていくと、まるで絵の具で描いたような絵が出来上がる。

 「絵を描くのが好きで、学生の時も美術や図工の授業が楽しかったですね」。俳優業が忙しくなるにつれ、描く機会は減っていたが、2015年公開の映画「通学シリーズ 通学途中」に美術部員の高校生役で主演。この時、絵を描くシーンがあり、それがきっかけで“絵心”に再び火が付いた。「撮影の空き時間に絵を描こうと思ってスマートフォンで描き始めたら、やっぱり面白くて。それからiPadと電子ペンを使うようになった。簡単な似顔絵なら数十分で描けるから手軽なんですよね」

 出演したドラマのプロデューサーが結婚した時に似顔絵を描いたウエディングカードを贈って喜ばれたこともあった。こだわりはどんどん増えている。「似顔絵は普通に描くのではなく、その人の特徴を誇張するようにしています。モノや空間の捉え方、光の当たり方も気にするようになって、完成した時のイメージを考えてから描くようになりました」。見る側の目を意識するのは俳優業にも通じている。

 スカウトされ、小学5年の時に芸能界入り。中学1年の時に、日本テレビの大ヒット作「家政婦のミタ」で初めて連続ドラマにレギュラー出演し大きな注目を集めた。その後はドラマや映画、CMに立て続けに出演。りりしい若武者、イケメン御曹司、ロン毛&眼鏡の高校生などさまざまな役を演じてきた。

 「視聴者の方の期待を裏切る役はやっぱり面白い。求められるものもありますが、基本的には今までやったことがない役にチャレンジしていきたい」。現在出演中の「QUEEN」で演じるのはハーバード大卒の新米弁護士。「意識とプライドは凄く高いけど、実力が伴っていないという役。いじりがいのあるキャラクターになっていれば」

 子役としてデビューし、俳優としてのキャリアは約10年。常に年上の共演者やスタッフに囲まれてきた。どこか大人びた印象があるのはそのせいだろうか。

 「現場では常に最年少でした。周りにはいっぱい大人がいて、いっぱい(撮影用の)機械があって。共演者の方もスタッフの方も凄い人ばかり。子供にとって本当に楽しい時間でした」。そんな環境で演技を学び、「いつか映像作品の監督をやってみたい」という夢も芽生えた。「撮影の空き時間に、なぜ待っているのか理由が分かっているのと、分かっていないのでは次のシーンへの入り方が全然違ってくる。スタッフの方に何をやっているのか、どんな機械を使っているのか聞いているうちに撮る方に興味が引かれていったんです」

 実際、数年前から俳優仲間と映像作品を自主制作している。最近作ったのは、夜な夜なキャンディーを配る妖精の不思議なファンタジー。15分ほどの作品で、夜中に思いついた物語を脚本に書き下ろし撮影と編集も手掛けた。「頭の中でどんな仕上がりになるのか思い描きながら、カメラやマイクを駆使して撮影し編集していくのは本当に面白い。今はあくまで自己満足ですけど、いつか仕事として実現できるとうれしいですね」

 現在20歳。旺盛な好奇心とマルチな才能を武器に、どんな表現者になっていくのか、これからが楽しみだ。

 ▽「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」 セクハラやクレーム対応などスキャンダル対策を専門にする女性弁護士とそのチームの活躍を描く物語。法廷シーンがない異色の弁護士ドラマとしても話題を集める。主演は竹内結子(38)。水川あさみ(35)、斉藤由貴(52)らが共演する。

 ≪戦略的な釣りも好き≫アウトドアの趣味では釣りが大好きという中川。父親の友人にバス釣りを教えてもらい中学生の頃から本格的に始めた。「バス釣りは季節やシチュエーションによって作戦を練り、バスをだまさなければいけない。それがハマった時がうれしい」と魅力を語る。

 ◆中川 大志(なかがわ・たいし)1998年(平10)6月14日生まれ、東京都出身の20歳。2009年7月、NHK「わたしが子どもだったころ」で俳優デビュー。翌10年に「半次郎」で映画デビュー。NHK大河ドラマは「江〜姫たちの戦国〜」、「平清盛」、「真田丸」に出演した。
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