神木隆之介「キレイ」で舞台初挑戦「緊張」生田絵梨花、阿部サダヲら豪華出演者集結 松尾スズキ氏演出専念
2019年05月21日 16:30
芸能
物語の舞台は、3つの民族が100年の長きにわたって紛争を続けている“もうひとつの日本”。「生と死」「絶望と希望」「大人と子供」など真逆のキーワードが入り乱れる、まさにカオスな世界。民族解放軍を名乗るグループに誘拐・監禁され、地下室で育った1人の少女・ケガレは10年ぶりに外の世界へ。ダイズでできている兵士“ダイズ兵”の死体回収業で生計を立てているキネコたち“カネコ組”と出会い、仲間に加わる。そして、回収されたダイズ兵を食用として加工するダイダイ食品の社長令嬢・カスミと奇妙な友情で結ばれる。
戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギだった。
死ぬことに憧れつつも、なかなか死ねないダイズ兵のダイズ丸、枯れ木に花を咲かす能力を持つハリコナ、誘拐・監禁することでしか女性と一緒にいられないマジシャンらと出会い、過去・現在・未来が交錯する時間の中、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決することになる――。
青年・ハリコナ役は小池徹平(33)、食品会社の社長令嬢・カスミ役は鈴木杏(32)、特殊な機能を備えたダイズ兵のダイズ丸役は05年の再演に続く橋本じゅん(55)、ダイズ兵回収業者のカネコキネコ役は14年の再再演に続く皆川猿時(48)、ケガレ(生田)を誘拐・監禁した主犯で物語のカギを握るマジシャン役は初演と再演で少年・ハリコナを、再再演でダイズ丸を演じた阿部サダヲ(49)、成長したケガレ=ミソギ役はミュージカル初挑戦となる麻生久美子(40)と豪華キャストが勢揃いした。
神木は「初めて舞台を踏ませていただくことになりました。とても緊張しています」としながらも「映像作品とは異なることが多く、分からないことだらけですが、先輩方に教えていただきながら頑張りたいです。何より、観に来ていただいたお客さまに楽しんでいただけるよう、精いっぱい務めたいと思います。劇場でお待ちしております!」と意気込んでいる。
ミュージカル「モーツァルト!」「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」で第44回菊田一夫演劇賞に輝いた生田は松尾作品初出演。「大人計画さんの舞台は何度か拝見しています。シアターコクーンで上演されたミュージカル「キレイ」は初演、再演をDVDで、再再演は実際観に行かせていただき、感銘を受けました。まさか自分がその作品にケガレ役として出演するとは思わず、とても驚いています。うれしい気持ちと、未知の世界に飛び込むようなドキドキソワソワ感でいっぱいです。個性豊かな皆さんの下でたくさん学ばせていただきながら、精いっぱい務めたいと思います。楽しみです!」と張り切っている。
松尾氏も「前3回の公演を経て、ミュージカル畑の人たちとの交流が深まり、自分もミュージカルを研究していくうち、『ミュージカルを壊す』という当初の目論見よりも、『新しい日本発のミュージカル』を構築していこうという気持ちが強くなってきていたところ、Bunkamuraさんから再再再演の話を頂いた。力を合わせて、より完成度の高い日本人によるエンターテインメント作りを目指そうと思っています」と抱負。「生田さんというミュージカル経験の多いスターを主役のケガレ役とし、阿部が敵役のマジシャンを演じることで、ミュージカル的クオリティーが高く、物語が深く、いっそうおもしろくなる。そう信じています。脚本にも新たに手を加え、新しい楽曲も期待できるかと」と早くを手応えを感じている。
2020年1月13~19日に福岡・博多座、1月25日~2月2日に大阪・フェスティバルホールで上演される。