周防正行監督 最新作「カツベン」ゆかりの地で全国行脚終了、主演成田凌に引き継ぎ
2019年10月24日 12:02
芸能
「カツベン!」は活動弁士を夢見る青年の青春群像劇。映画がモノクロの無声で「活動写真」と言われた時代に、独自の語りで観客を銀幕に引き込む弁士に焦点を当てた。浅草寺でヒットを祈願した後に、100人以上の活動弁士をまつった映画弁士塚を訪問。周防監督は、当地の存在について「初めて知りました。(活動弁士については、あれだけ取材をしたのに。クランクイン前にあいさつに来るべきだったと反省しています」と頭を下げた。
背後の石碑には、明治、大正時代などの銀幕を「声」で演出した名カツベンの名がずらり。成田は「徳川夢声さんは台本に出ていた」と瞳を輝かせた。周防監督は「山野一郎さんの、ひ孫さんが女優さんをしていらっしゃって紹介してもらいました。無声映画のヒロインとしてデビューしました」と、本作の劇中劇に抜てきしたことを明かした。
成田は、作品で演じきった話芸について、「練習している時の空気は、2カ月くらいは地獄でした」と振り返ったものの、最終的に「古舘伊知郎さんにほめてもらった。こんなにうれしいことはないです」と笑顔。
周防監督も「古館さんは現代の活動弁士。プロレスの映像に自らの語り口で引きつける。そういう意味では、みのもんたさんの“珍プレー好プレー”も現代の活動弁士だなと思います」と指摘した。
この日からは監督に代わって、成田が中心となってPR活動を引き継いでいく。周防監督から宣伝用の特製法被を託されると、「300以上の媒体の取材を監督が自らやってくれる。だから改めて気を引き締めて頑張っていかないと」と抱負。まずは地元へのアピールを強化したいようで「埼玉にひたすら行きたいと思います。全国も行けるところはすべて行きたいなと思います」と力を込めた。