交番に“ライダーキック”の元俳優、波乱万丈の人生語る 月収「1億2000万円」も現在は遊園地で…
2019年10月25日 21:04
芸能
そんな中、その後の人生を左右するターニングポイントが二つあった。一つは04年に咽頭がんを患ったこと。2年半で6度の手術を受け仕事復帰したものの、病気でかすれた声を酒焼けと勘違いされるなど、現場には悪評が。“天狗”時代の行動がたたり、所属事務所から契約解除され、仕事は激減した。貯金はゼロ。同時期に活躍した俳優の姿を見て自暴自棄になり、酒を飲んで「金属バットで暴れたこともありました」と振り返った。
二つ目は09年に起こした事件。大津市内の交番のドアガラスを蹴って割ったとして、器物損壊容疑で大津署に逮捕(起訴猶予処分)され、「交番にライダーキック」などと報じられた。唐渡さんは、鍵をなくし交番を訪れたが警察官がおらず、緊急連絡先に電話しても出なかったことから「いくら警察やからっておかしいやろ、コラ!って話になりまして…」と当時の状況を語った。事件後、唯一のレギュラー番組も降板。翌年、一般女性と結婚したが3カ月で離婚し、「死にたい気持ちに一瞬なった」という。
14年に芸能界を引退し、靴磨きなど職を転々とした。伊東市内の伊豆ぐらんぱる公園を経営する社長が知り合いで、今年4月から同所で働くことに。公園内の子供向け遊園地で、アトラクション担当として働く日々に、「働くしかないんですよ、自分のケツは自分で拭かなくては。感謝の気持ちで頑張らないと未来がないと思っていますから」。社長からは、元ライダーの経験を引き合いに「子供との接し方がうまい。園が明かるくなり、売り上げが増加した」と絶賛された。
現場で働く一方、会社の新事業の責任者も担っているといい、「自分が反省しなきゃいけないのは、おごりがあったんですよ。だから今、本心から人を喜ばせたいというふうに、考えとか思いが変わりました。これは人一倍働かなきゃいけないと思っています」と新たなフィールドでもうひと花咲かせる意気込みだ。最後は、「3年後か5年後か10年後か分からないですけど、あの3年間休みなく働いて良かったなって思えるような人生にしたいな」とかみしめるように語っていた。