「大島渚賞」を新設 審査委員長は坂本龍一 小山明子「つくってといったのは私」
2019年12月04日 14:57
芸能
審査委員長は世界的ミュージシャンの坂本龍一(67)が務める。大島監督がメガホンをとった1983年の「戦場のメリークリスマス」に俳優として出演し、音楽も担当。英ロックスターのデヴィッド・ボウイ氏(16年1月に69歳で死去)や、ビートたけし(72)らと共演して話題を集めた。
主催者側は「坂本さんは、お話しましたら快諾してくれました。学生の頃は150本くらいみたという映画好き。最近ではベルリン国際映画祭の審査員をやっている」と、坂本の様子を伝えた。
大島渚賞は、自ら世界に挑戦し、新しい道を切り拓こうとしている若手映画監督を顕彰。日本で活躍し、劇場公開作品(商業映画)が3本程度の才能を対象とする。第1回の受賞者は来年2月に発表予定で、授賞式を3月19日に、同20日に記念上映会をいずれも丸ビルホール(東京都千代田区)で行う。3月は大島監督の誕生月。
かつて大島監督が高い志で世界に挑んだように「世界に羽ばたく新しい才能」、挑戦や冒険を恐れない「最も大島渚的」な監督に光を当てる。小山は、大島監督から助監督時代に「自分はいつか世界に通用する監督になって世界に連れて行く」というラブレターをもらったことがあり、「それはちゃんと実行してくれました」とエピソードも紹介。
「戦メリ、『戦場のメリークリスマス』を撮った時も坂本龍一さん、ビートたけしさんは2人とも世界に通用する坂本龍一、北野武という人に育ちました」と、亡き夫の”千里眼”も強調した。
ちなみに「私は若い人の作品は頭が痛くなっちゃうから見ない。だから参加資格はないんです」と、選考などには関わらずにあくまでも賞の考案者までに止まる考えだ。
大島監督のスピリッツについては、「同じものは、つくらない信念が凄くあった。だからチャレンジャーだった。あえて同じスタイルでは撮らない。だから一貫性がない。だけど、いつも何かにチャレンジして、いつも何かを見つけたい、いつもワクワクしたいという好奇心とか、冒険心とか、そういうものが、いつも彼の心の中にあった気がします」と振り返り、好きな作品に69年の「少年」を挙げた。
大島監督は、60年「青春残酷物語」などのヒットで松竹ヌーヴェルヴァーグの旗手となり、日仏合作となった76年「愛のコリーダ」をカンヌ国際映画祭などに出品。78年「愛の亡霊」は同映画祭で監督賞を受けるなど海外でも評価された。