氷川きよし、ワースト視聴率“紅白”で存在感 リハ意味深発言、生で歌ってお祭り感演出
2020年01月07日 05:30
芸能
事前収録やNHKホール以外からの歌唱は多彩な演出を可能にする一方、会場全体を巻き込む一体感や熱量に欠ける側面もあるとされる。そうした懸念が2つの場面で表れた。
一つは放送開始から午後8時55分までの第1部で唯一の中継パートとなった福山雅治(50)の場面。歌唱前と比較して2・3ポイント下がった。一方、裏番組の日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」は15・6%から17・1%に急上昇。ダウンタウンの30年ぶりの漫才など見どころが続き、そこから17%前後をキープする結果となった。
福山の中継は恒例とあって、今年は映像効果を駆使し、瞬間移動してきたかのように総合司会の内村光良(55)と並んで掛け合うなど工夫がなされたが「別会場なので、肝心の歌唱中に、他の歌手とのコラボなど紅白らしい演出ができなかったのが大きいのでは」(テレビ局関係者)。
また例年、40%台まで数字を上げる午後10時半~11時序盤にVTRや企画映像の挿入が目立ち、最高38・2%と停滞した。生歌唱は「いきものがかり」と「ゆず」の計10分間のみ。「この時間帯は来年の東京五輪を意識しオリンピック関連の演出を柱に据えたが、制作側の意気込みのあまり“作り込み”が強くなりすぎたように感じる」(同関係者)。
生歌唱した2組も、五輪に特化した演出が先に立つ形で、音楽関係者は「この時間帯はトリに向けてムードを高めていく重要な時間帯。演歌や名曲をじっくり聴かせるのも紅白の大きな魅力で、それがなかったことが数字に出たのでは」。
その中で“功労者”となったのが歌手別視聴率40・4%を記録した氷川だ。18年のように、NHKホールにいる全員が世代を超え一緒に盛り上がるようなハイライトをつくった。
氷川はリハーサルから「きよし君にはさよなら。きーちゃんとして私らしく」「紅組のような白組のような衣装」と意味深な発言を報道陣を通じて広く発信。視聴者に「どんなパフォーマンスや発言が飛び出すのか、目が離せなくなっていた」と期待を抱かせ、本番につなげた。
民放で長時間の音楽番組が増える中“紅白ならでは”の魅力は、大御所と若手が一堂に会することと、生放送に伴うハプニング。芸能関係者は「制作陣にはいま一度、愛される紅白を見つめ直してほしい」と期待している。
《歌手別最高視聴率は大トリの嵐》 歌手別最高視聴率は、大トリを務めた嵐だった。活動休止まで残り1年となり注目度の高さをうかがわせた。午後11時33分からデビュー曲「A・RA・SHI」を歌い始めて40%台をキープ。続く最新曲「Turning Up」を歌い終わる同38分には、最高となる40・8%を記録した。出場歌手の中で、歌唱時間全てで40%以上となったのは嵐ただ1組だった。
紅組のトリを務めたMISIA(41)は、同30分に紅組トップとなる40・1%をマーク。代表曲「Everything」を含む3曲のメドレーを披露した。出演者たちもレインボーフラッグを振りながら盛り上がり、NHKホール全体が一体となった。今回、出場歌手の中で視聴率が40%以上となったのは、この2組に氷川を加えた3組のみだった。