柴咲コウ 理想の夫婦像は「お互いを尊敬」「直虎」は「大きな財産」今後も縁を大切に「人がいてこそ」
2020年02月03日 13:00
芸能
柴咲が演じるのは、世界的に活躍するオペラ歌手・双浦環。大正12年(1923年)秋、11歳の音(子役)は豊橋の教会で出会った環の歌声に心惹かれ、プロの歌手になりたいと決心。昭和7年(1932年)1月、19歳の音(二階堂ふみ)は東京の音楽学校で憧れの環に再会。のちに、環は裕一と音の人生の転機に深く関わる存在になる。
裕一と音の夫婦を描くドラマとあり、理想の夫婦像を尋ねると、柴咲は「この2人は、まさにそうですよね。裕一さんは作曲、音ちゃんは歌と、お互いの夢を尊重して突き進んでいるのは素晴らしいですし、うらやましくもあります。(出産など)女性の方が人生の選択の場面が多いですが、そこで旦那様がどう振る舞って、どう声を掛けるか、その在り方は世の中の男性のいいヒントになるんじゃないかと思います」と今作をアピール。
「いろいろな夫婦の在り方があって、私はまだ(結婚を)体験したことがないんですが、自分の感覚や生き方を『私はこう思う』と主張したとしても、『こうすべき』と押し付けるのは、よくないと思います。それは、友達付き合いでも気を付けています。どんどん関係が近づいて、毎日一緒にいる家族になると、考えの押し付けはいがみ合いにつながってしまうと思います。このドラマの2人はお互いを尊敬していて、素敵です」と明かした。
1998年に女優デビュー。映画「バトル・ロワイアル」「GO」「メゾン・ド・ヒミコ」「容疑者Xの献身」「ねことじいちゃん」、ドラマ「GOOD LUCK!!」「Dr.コトー診療所」「オレンジデイズ」「ガリレオ」「○○妻」など数々の名作・話題作を彩ってきた。17年には「おんな城主 直虎」で大河ドラマ主演を務め上げた。
「私にとってかけがえのない作品の1つで、大きな財産。もちろん主演のプレッシャーもあったと思いますが、それよりも何よりも現場の楽しさが勝って。1年以上の撮影が本当にアッという間に終わった感じ」。17年10月のクランクアップ時に「体力が有り余っています。あと1年くらいできそう」と語っていたが「本当に(大河主演を)もう1回やりたいみたいな(笑)。作品に集う人たち、それぞれの魂みたいなものが、相性もあったと思うんですが、毎回毎回すごくよかったんです。そういう心意気に再び触れられる期待が今回の朝ドラにはありました」
朝ドラを経験し、さらなる境地へ。今後の展望について尋ねると「今の日本の俳優さんは別に自分から売り込むわけじゃなく『お話を頂いたら、ご縁』という部分が大きいので、活動プランが組みづらいんです。どうしても受け身になってしまうことが多いんですが、これからも個人と個人のつながりを大切にしていきたいと思っています。いろいろな人が集結して1個の作品を作るじゃないですか。プロデューサーさんやディレクターさんだけじゃなく、美術チームもいれば、音響チームもいる。そういう人たちが欠けたら、作品は作れないというのは毎回ドラマの現場で感じていて、本当に人がいてこそ。大河ドラマでも、同じようなセリフを言いました(※)。そういう人間関係や縁はつながっていくんじゃないかと勝手に思っているので、これからも皆さんとご一緒して、いい作品を作れればと毎回思っています」と、しみじみ語った。
「エール」でも、新しい“絆”が生まれ、広がりそうだ。
【※】第40回「天正の草履番」(10月8日)。直虎(柴咲)は、取り潰しになった井伊の名を名乗ろうとする万千代(菅田将暉)と、万千代を養子に迎えようとしていた松下家との板挟みに。その件について、家康(阿部サダヲ)と対峙した場面。「人は宝…」と言う家康に、直虎は「人がおらねば何もできぬ…」と返した。