国際的なファッションデザイナーでイベントプロデューサーとしても活躍した山本寛斎(やまもと・かんさい、本名同じ=やまもと・のぶよし)さんが21日、急性骨髄性白血病のため死去した。76歳。
寛斎さんは、苦しい財政状況の中で開かれたリオ五輪の開会式について「予算が限られたことで、かえって人間のあるべき姿が出て、これほど善意の心が出た開会式は初めてだった」と話し感動していた。以前の寛斎さんは豊富な資金をもとにド派手なイベントを仕掛けてきた。ただ、4兆円規模の事業費が使われた08年北京五輪を契機に考え方が一変。「安く、面白く」を追求するようになった。
東京五輪は立候補時は「世界一コンパクトな大会」がうたい文句だったが、当初案から予算は膨らむばかり。開催の可否も不透明な今、関係者は寛斎さんの“遺言”をどう受け止めるのだろうか。