YOU　クランクイン直前に足骨折も驚きの提案「設定変えられないか？」

　タレントのYOU（56）が30日、フジテレビ系「鶴瓶×サンド　グラフde人生～身内から見たホントのあなた～」（後4・05）にゲスト出演、是枝裕和監督（58）から、様々なエピソードが語られた。 　2004年、YOUは是枝監督作品「誰も知らない」に出演。父親が異なる子ども4人を育て上げる母親役を演じ、国内外で高い評価を得た。

　是枝監督がYOUを選んだ理由は「深夜のバラエティー番組で“凄い頭の回転の人だ”」と感じたから。番組を見た翌日には事務所に電話を入れていたという。しかし最初は、「セリフを覚えるのが嫌だ」「毎日、同じ場所に行きたくない」と色よい返事を得られなかった。是枝監督は「（台本のない）子どもと同じ扱いにしますのでどうですか？」と妥協案を示すと「それならできる」と快諾したそうだ。

　やっと形になるかと思いきや、クランクイン直前になってYOUが明石家さんまらが立ち上げたテニスサークルで、プレー中に足を骨折してしまった。その時、YOUは「“足が悪い”って設定に変えられないか？」と是枝監督に驚きの提案してきたそう。さすがに監督も「それはどうかな…」と断ったという。

　YOUは足の痛みをこらえながら撮影、是枝監督が出す要望にも応え、子どもの笑顔を引き出してみせるなど、次々と成果を挙げていく。最終的には監督が「映っている演出家」と評するほど、絶大な信頼を寄せるまでになっていた。

　その後も2度、YOUを起用した是枝監督は「僕の作品の一番の理解者の1人です」と絶賛。必要に応じて「台本にはないセリフを、すかさずポンと放り込んでくれる」こともあるそうで、樹木希林さん（享年75）も「普通の役者さんの感覚とちがう捉え方をしている」と評価していたという。是枝監督は「（YOUと希林さんの）2人はとても気が合っていたし、センスが似ていた」と、当時を懐かしんでいた。