「半沢直樹」大ヒットの要因――オールスター集結で2倍!3倍!チーム「半沢」の恩返し
2020年09月29日 06:00
芸能
こうした演技についてペリー氏は「昔は撮影において“監督の言うことは絶対”というのが通説だったが、半沢直樹では同じシーンを何度も撮影することで、演者たちも面白いと思うことをどんどんやってしまう。制作陣のチーム感が出ていた」と分析する。
もちろん過度な演出を繰り返すことで視聴者が離れてしまうという懸念もあるが、ペリー氏は「絶妙な演技で半沢ワールドを作り上げ、その中に視聴者を引き込むのがうまかった。スポーツの応援団がスタンドで歌を歌い、そこに選手が来て盛り上がり、ホームランを打つ…。そのような快感があった」と解説。「まるで高級食材を詰め込んだちゃんこ鍋のようだった」と例えを交えて語った。
笑いを誘うようなシーンも随所に仕掛けがあった。「債権放棄じゃだめなんですか!」などと言っていた白井大臣こと江口のりこ(40)が最終回で乃原弁護士(筒井道隆)に「恥を知りなさい!」と啖呵(たんか)を切るシーン。「初めは蓮舫議員(のイメージ)だと思ったら、結局三原じゅん子議員だった」と笑う。
また視聴者の期待に必ず応える物語構成もヒットの要因に挙げる。「視聴者が登場を待ち望んでいた黒崎(片岡愛之助)は、最後にやっぱり半沢を助けた。そういう期待は裏切らない」。最終回にはこれまで出演したキャスト皆が手を組んで箕部幹事長(柄本明)に1000倍返しを果たす。「最後にはオールスターが集結した。視聴者の期待を裏切らないどころか、恩返しが2倍3倍となる」。空前のヒットの裏には制作陣の“恩返し”がふんだんに詰まっていた。