RIZINガール・東海林里咲 「もっと活躍して恩返しを」
2020年10月09日 14:00
芸能
「やっとここに戻って来られた!と思いました。コロナで4月の大会がなくなってしまっていたし、さいたまスーパーアリーナは私がRIZINガールになって初めて立った会場でもあったので、うれしかったです」と東海林は振り返る。
この仕事の端緒は一昨年の大みそか。山形県の実家で、RIZIN.14の中継を見たことだった。両親ともに格闘技が好きで桜庭和志のファン。幼い頃から家族そろってのテレビ観戦が日常茶飯事だった。
その日、心を動かされたのはプロボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーと那須川の一戦。那須川にとっては、体格のハンディがある上にキックを封じられ、客観的に見て勝ち目のとぼしい試合だったが、果敢に勝負を挑み、結果としてTKO負けを喫した。
「那須川選手が頑張る姿に胸を打たれました。あの試合に感動したのは、やはり、小さい時から格闘技を見て育ったことが大きいと思います。あの時、テレビにRIZINガールが映ったんです。それで、私も近くで見たい!と思いました」
当時は山形で、まつげエクステのアイリストとして働いていた。専門学校を卒業し、美容師免許を取得。就職から1年以上が経過し、順調な社会人生活のさなかだった。ところが、昨年2月にオーディション募集を知ると、迷わず応募。書類選考や面接などを経て合格すると、仕事を辞めて上京した。
「後先は考えませんでした。オーディションの時、『合格したら?』と問われて『仕事を辞めます!』と答えたのが印象的だったと、後から関係者の方にうかがいました。それくらい賭けてたんです。あれが、初めて受けたオーディションだったんですけど、人生が変わりました」
任期は約1年。継続するために、今年7月、2度目のオーディションに臨んだ。今回の合否は、動画配信サービスでの順位争い。予選を通過し、決勝で1位になった。
「約1カ月間、家に引きこもって毎日、動画を配信し続けました。配信をサボると順位が落ちちゃうんです。多い時は1日14時間くらいやりました。見てくれる人たちのコメントを読み続けるんですけど、だんだん声が出なくなって、最終日はガサガサでした。でも、どうしてもRIZINガールを続けたかった。努力は実るんだなと思いました」
取材で対面した本人はもちろんキュートだが、リング上の笑顔はより輝いて見える。それは自分が最も好きな場所、熱望した場所に立っているからに違いない。
「できる限り長く続けたいです。将来的には、演技のお仕事にも挑戦したい。私が違うお仕事で活躍できれば、それでRIZINを知ってくれる人がいるかもしれません。私はファンの方々のおかげで、このお仕事を続けられています。これからも感謝を忘れず、もっともっと活躍して恩返しができるように頑張っていきたいです」
格闘技大会の主役は選手たちだが、彼女のような熱い人が周りに存在してこそ、ブームが確立されてゆく。
◇東海林 里咲(しょうじ・りさ)1997年(平9)4月11日生まれ、山形県出身の23歳。昨年3月、RIZINガールのオーディションに合格。同7月、さいたまスーパーアリーナでデビュー。今年7月、オーディションを勝ち抜いて継続が決定。身長1メートル58、上から78・59・83。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。