永瀬王座、連勝スタート 木村九段の受け完全粉砕 26日注目対決、藤井2冠も討つ!
2020年10月21日 05:30
芸能
先手番で相掛かりの滑り出し。互いに強気の手が飛び交う布陣は短手数での決着になりがちだ。だが永瀬は定番化した指し手の合間に熟考をあえて重ねる。33手目の▲4八金に20分。王頭の歩を一歩進める41手目▲5六歩に27分。そして45手目の▲3四歩に42分。「複雑な局面なので、バランスが崩れたら終わり。局面の整理をするために時間を使いました」と中盤の連続長考の意図を明かす。もっとも▲5六歩は木村に「仰天した。びっくりした」と言わしめるほどの妙手だったのだが。
久保利明九段(45)と激戦を繰り広げていた王座戦5番勝負に出場していた関係で、挑決リーグの初戦は11日。白星発進の後は14日に王座戦最終局に挑み、見事タイトルを防衛して九段昇段を果たした。肩の荷を1つ減らして臨んだこの日の木村戦。終盤も最終盤の113手目▲6二銀で「寄せの形になった」と謙遜するが、一局を通せば戴冠者にふさわしい強さを存分に見せつけた。
これで2戦2勝。初の挑決リーグ入りで初の7番勝負挑戦権獲得に向け好位置にいる。「毎局凄い大変なんですが、連勝の形になって良かったなと思ってます」と目尻を下げた。次戦の26日は藤井聡太2冠(18)が相手となる大一番。過去2戦2敗(未放映対局は除く)の借りはここで返したい。 (我満 晴朗)