藤井2冠、意地の最年少200勝 18歳4カ月で達成!リーグ陥落も「また来年、実力をつけて」
2020年11月21日 05:30
芸能
リーグ戦開幕を告げる初戦で羽生に初星献上。続く豊島にもAI評価値99対1から悪夢の逆転負けを食らい、永瀬にも完敗という最悪スタート。そこから3連勝で巻き返したものの、残留を争っていた別室の広瀬がほぼ同時刻に勝利を収めた時点で来期、予選からの出直しが決まった。
ただ、2冠として意地は見せた。この日も先手から決めていたという矢倉で、序盤から怒とうの攻め将棋を展開。“千駄ケ谷の受け師”の異名を持つ木村を脱帽させるなど進化を続けようとする貪欲な姿勢は変わらない。
この日の1勝で史上最年少18歳4カ月での通算200勝(未放映のテレビ対局含む)到達。勝率8割3分3厘と驚異的な高勝率をキープしており、240局目での達成は羽生の254局目(1引き分け含む)を上回る。
これまで数字や新記録にはほぼ無頓着。ただ、2冠を獲得してタイトルホルダーの仲間入りし、棋界のリーダーとしての自覚も芽生えつつあるのか「全く気付いていなかったんですけど、これからも実力を高め、積み上げていけるようにしたい」とポジティブに捉える発言もみられた。
挑戦者決定リーグ初参戦となった昨年11月の前期最終戦。勝てばタイトル初挑戦が決まる一局で勝利目前、痛恨ミスにより辛酸をなめた。それから1年。結果的には、棋界で最も過酷とされるリーグの“見えない壁”に再びはね返される格好となったが、「挑戦権に全く絡めなかったのは残念ですが、また来年、実力をつけて頑張りたい。今期は内容的にも自分の課題が出た場面が多かったと思うのでそこを修正して臨みたい」と前を向いた。
2期続いた悔しさをバネに、さらに進化した藤井の姿が来期の王将戦でも見られるはずだ。(窪田 信)
▼木村一基九段(リーグ戦6戦全敗)お恥ずかしい限り。内容も良くなく、終盤まで競ることもあまりなかったので、不本意な内容になりました。また勉強して出直して臨みたいと思います。