「おちょやん」朝ドラ初出演の篠原涼子 女将役で存在感「基本的に“できない”タイプ 皆さんを騙したい」

2020年12月23日 16:00

芸能

「おちょやん」朝ドラ初出演の篠原涼子 女将役で存在感「基本的に“できない”タイプ 皆さんを騙したい」
連続テレビ小説「おちょやん」で朝ドラ初出演を果たした篠原涼子(C)NHK Photo By 提供写真
 約30年のキャリアを誇る女優・篠原涼子(47)がNHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で朝ドラ初出演。厳しくも、ヒロイン(杉咲花)の“もう一人の母親”と言える存在になる芝居茶屋の女将を熱演し、存在感を発揮している。頼もしいキャラクターと自身は正反対。「私は基本的に“できない”タイプなので、この役を利用して『デキる女』『しっかり者』のイメージを持っていただけるように、演技で皆さんを騙したいと思います」と笑いを誘った。
 朝ドラ通算103作目。タイトルの「おちょやん」は“おちょぼさん”が訛り、茶屋や料亭などで働く小さい女中さんを意味する大阪ことば。女中奉公の8年間がヒロインの原点になっていることの象徴として採用された。TBS日曜劇場「半沢直樹」(2013年)などのヒット作を生んだ脚本家の八津弘幸氏(49)が手掛け、朝ドラ初挑戦となるオリジナル作品。明治の末、大阪・南河内の貧しい家に生まれた少女・竹井千代(杉咲)が芝居の世界に魅了されて女優を目指し、のちに「大阪のお母さん」と呼ばれる上方のコメディエンヌになる姿を描く。

 篠原が演じるのは、千代が奉公に出された芝居茶屋「岡安」を取り仕切る女将・岡田シズ。周囲からは「ご寮人(りょん)さん」と呼ばれる。千代を厳しくも温かく見守り、5歳の時に母・サエ(三戸なつめ)を亡くした千代には“もう一人の母親”と言える存在になる。シズは奉公が終わる年季明けが近づく千代に将来のことを問い、千代はシズたちに恩返しがしたいと岡安で働き続けると決める。

 届け物が間に合わず、シズに叱責された幼少期の千代(毎田暖乃)が1人、岡安を出ていった第9話(12月10日)。「あさイチ」(月~金曜前8・15)の“朝ドラ受け”で、博多華丸(50)は「あとは“ご寮人(りょん)さん”がやってくれますよ。顔が大前春子になっていましたから。私には見えました」と篠原の代表作の1つ「ハケンの品格」の役名を出して笑いを誘ったほど、芯の強さがある。一方、第3週(12月14~19日)は千代に説得され、再会を果たした歌舞伎役者・早川延四郎(片岡松十郎)への秘めた思いも描かれた。

 篠原は「NHKでのお仕事自体が久しぶりなので、すごく新鮮ですし、NHK大阪にはお邪魔したのも初めてです。朝ドラは前から好きで、ずっと拝見していたので、そこに自分が入っていくというのはすごくうれしいですし、どういうふうに映るのか楽しみです。『おちょやん』のような物語をお届けできることについても、とてもうれしく思います」と朝ドラ初参加に喜び。

 役柄については「芯がしっかりした女性です。シズの言葉には深い意味があって、私にとっても為になることが多く、すごく素敵でカッコいいと思います。(貧しかった)千代とは生育環境は真逆だと思いますが、小さい頃から岡安を継ぐためにお茶子修業をして頑張ってきたというところは似ているので、千代に対して自分の幼い頃を見ているような目線と気持ちを持っていると思います。いろいろな苦難を乗り越える中で、出会った人たちから助けてもらったり何かを学んだり、そこに感謝の気持ちを持ちながら生きてきたという共通点があると思います」と解釈。

 「基本的には厳しい女性で、千代が入ってきた当初は冷たくあしらいますが、実は心は温かい。家族と一緒にいるシーンなどで、温かいシズの一面が伝わればいいなと思います。家庭を持つ1人の母親という意味では、私自身と境遇が共通していますし、夫(名倉潤)に『(娘を)甘やかしすぎ』などと言ってみたり、家族を大切にしていますよね。でも、シズはすごくしっかりしていて何でもできる女性なので、そこは私とは全然違うなと思います。私は基本的に“できない”タイプなので、この役を利用して『デキる女』『しっかり者』のイメージを持っていただけるように、演技で皆さんを騙したいと思います(笑)」と冗談めかした。

 ヒロインの杉咲については「常にいろいろなことを考えていらっしゃるなと感じます。すごく目力があって、お芝居に対しても真摯に向き合い、本当に千代になり切っていて、現場を引っ張っていってくれて助けてもらっている気がします。私自身も、シズとして千代ちゃんがやりづらい状況にならないようにと必死です。千代の真っすぐな感じは、杉咲さん自身と同じですよね。千代に対してはシズとして、そして、杉咲花ちゃんに対して私自身が『支えてあげたい!』と思っていて、心から応援したい気持ちがあります」と全力サポートを宣言。

 「最初は千代との関係が表面的にしか見えないと思いますが、この先、どんどん絆が深まっていきます。シズはこれからどんな視線を千代に向けることができるのか、千代はシズに対してどれだけ心を開いてくれるのか、というところに目を向けていただきたいです。知識も経験もある女将として存在しているシズですが、お茶子修業にきた千代と出会うことによって、逆に、いろいろ教わるような人間模様も描かれています。いくつになっても人って成長できるんだな、子どもに教えてもらうこともあるんだな、と感じていただけるんじゃないでしょうか。『おちょやん』はシリアスなところもあれば、ものすごく笑えるところも満載なので、いろいろな気持ちを持って、飽きずに見ていただけると思います。きっとアッという間に終わってしまうと思います。元気でパワーのあるシーンもたくさんあって見どころ満載なので、是非見ていただきたいと思います」と呼び掛けた。
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