福島県いわき市出身・富田望生 “10年後の宮城”描いたドラマ出演、震災の価値観届ける
2021年01月30日 05:30
芸能
母親が県内のホテルに勤務していたが、営業ができなくなり親族とともに東京へ移住。地元の友人と離れ離れになり前向きになれない日々が続く中、偶然目に入ったのが役者を募集する広告。自分を変えるきっかけになればと応募し、女優としてのキャリアをスタートさせた。
「私にとって震災はあくまできっかけにすぎなくて、それ以上でも、それ以下でもない。いい出会いもあり、そこから生まれた感情は豊かな物だった。今回こうして震災の作品に役者として携われるのがうれしい」
作品は宮城県牡鹿半島のイタリアンレストランのオーナーシェフ(草なぎ剛)を主人公に、震災から10年を迎える被災地の復興と被災者の心の再生を描いた群像劇。富田は地元漁師の妻を演じる。
20歳にして同局の連続テレビ小説「なつぞら」に続く2度目の妊婦役。「子供っぽくはできないので母性を意識しました」と笑顔。現在は1匹の犬を飼っているといい「可愛いんですよ~。私の母性はワンコで磨かれています」とはにかんだ。
〇…富田は現在、女優業にとどまらず情報番組などでも活躍している。NHK「あさイチ」では「思い出レシピ」のコーナーを担当。視聴者から寄せられた被災時の“食”にまつわる思い出を語り継ぐ企画で、富田は「みなさんの震災への向き合い方を知ることができて、大きな学びになっています」と語った。日本テレビ「ヒルナンデス!」でも昨年4月から木曜レギュラーとして活躍中。「最初は女優業の癖で台本を読み込んでいたのですが、最近はカンペを読むことに慣れてきました。ロケも楽しめてきています」と笑みを浮かべた。
◆富田 望生(とみた・みう)2000年(平12)2月25日生まれ、福島県出身の20歳。15年に映画「ソロモンの偽証」で女優デビュー。17年「チア☆ダン」、18年「SUNNY 強い気持ち・強い愛」などに出演。19年に日本テレビ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」に出演し知名度を上げ、同年の「なつぞら」で広瀬すず演じる主人公のクラスメート役で出演した。趣味はピアノ、ダンスなど。身長1メートル52。