永瀬王座 カド番から連勝、今年度41勝目で藤井2冠に1差肉薄
2021年03月03日 05:30
芸能
封じ手開封後、永瀬側へ傾き始めた形勢判断の針に立会人の小林健二九段が驚く。「普通3連敗したら諦める」。一晩考えて指した▲4五歩が渡辺の疑問手になった可能性も指摘した。
永瀬は今年度の勝ち数を41とし、藤井の42に接近した。開幕3連敗ですでに瀬戸際の7番勝負だが、残り2局の連勝で逆転できる。「藤井超え」はつまり史上3度目の7番勝負における3連敗4連勝。その1号局は2008年、渡辺が羽生善治九段から竜王戦で達成した。
対局数、勝率、連勝に勝ち数の4部門で2日現在、対局数では永瀬が首位確定。さらに勝ち数で藤井を逆転できれば、研究仲間でありライバルの立場を印象づけられる。
「対戦相手のレベルが上がっても数字を維持される。かなり異次元」。10歳年下でも率直に表す敬意に自尊心はなく、記録面で張り合っていくことには「個人的にこだわってはないが結果的にそうなればいい」と意欲的。第6局へ向け、1勝目と同様「一局でも多く教えていただけるよう準備したい」と繰り返す。無心で打ち込む姿に、3連敗4連勝が夢物語とは思えなくなった。(筒崎 嘉一)