吉永小百合の誓い 被災者を「支え続けることが大切」、朗読会などで交流続く

2021年03月03日 05:30

芸能

吉永小百合の誓い 被災者を「支え続けることが大切」、朗読会などで交流続く
吉永小百合は原発事故で避難を余儀なくされている人々の詩を朗読会で紹介 Photo By スポニチ
 【東日本大震災から10年――忘れない そして未来へ(3) 】 東日本大震災から10年。被災地に思いをはせる人たちが「あの日」の生々しい記憶とその後の10年を振り返りながら、被災地にエールを送るインタビュー企画「忘れない そして未来へ」。第3回は朗読会などを通じて被災者に寄り添い続ける女優の吉永小百合(75)です。
 この10年、吉永は足しげく東北に足を運んできた。坂本龍一(69)が復興プロジェクトの一環として13年に立ち上げた東北ユースオーケストラの演奏会にも参加し、活動を支援してきた。岩手、宮城、福島3県の子供たちで結成された楽団だ。

 「被害に遭われた方をいつまでもみんなで支え続けることが大切。日本中が忘れないでいることが大事です」

 3・11。あの日、吉永は東京・渋谷の歯科医院で治療を受けた帰り道に揺れに遭遇。「渋谷の駅まで歩いて向かっていましたが、麻酔がまだ切れてないような感じで、めまいがしたのを覚えてます」

 今年2月13日に東北地方を襲った震度6強の地震は、気象庁によればあの時の余震。「日本は地震国。やはり油断はできないですね」と話し、「アンダーコントロールできていないことがたくさんあることも分かりました」と続けた。

 最たるものが東京電力福島第1原発事故。いまだに避難生活を余儀なくされる人々がいる。原爆詩の朗読をライフワークとしている吉永は震災後、故郷を去らざるを得なくなった人々が書いた詩も紹介するようになった。

 「小学5年生の時に震災に遭った子の素晴らしい詩があります。21歳になった彼は放射線技師になるための勉強をしているんです。(放射線の)正体を知りたいという思いなんでしょうか」

 目に見えない恐怖からみんなを守りたいと願う気持ち。吉永も複雑な思いを抱きながら成長に心揺さぶられた。

 出演するJR東日本「大人の休日倶楽部パス」のCMは現在、この10年の総集編が流れている。その仕事で多くの人と出会ってきた。12年春、岩手県宮古市の浄土ケ浜から「さっぱ」と呼ばれる小型船に乗って名所「青の洞窟」を訪れた。「その船長さんの奥さんが津波で流されてしまった。それを淡々と話されていて…」と振り返り、その様子が逆に胸に刺さった。「今でも船長さんをされていて、先日、ラジオ番組(TBS「今晩は吉永小百合です」)でお話しすることができたんですよ」とエピソードは尽きない。

 最新主演映画「いのちの停車場」は5月21日に公開が決まった。コロナ禍でキャンペーンも難しいが、「封切られたら、また被災地に足を運びます」と誓った。(佐藤 雅昭)
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