【アカデミー賞】「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督は監督賞受賞ならず

2022年03月28日 11:59

芸能

【アカデミー賞】「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督は監督賞受賞ならず
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でアカデミー賞監督賞を受賞したジェーン・カンピオン監督(ロイター)
 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞の発表・授賞式が27日(日本時間28日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開かれ、監督賞にノミネートされていた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)は受賞を逃した。日本映画として1965年「砂の女」の勅使河原宏、85年「乱」の黒澤明両監督に続く3人目のノミネートだったが、日本人初の快挙はならなかった。「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェーン・カンピオン監督が受賞した。
 「ドライブ…」は昨年のカンヌ映画祭脚本賞を皮切りに、全米、ロサンゼルス、ニューヨークなど主要な映画批評家協会賞で作品賞を獲得。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞でも非英語映画賞に輝くなど賞レースを席巻。今月13日には英国アカデミー賞で85年の黒澤明監督の「乱」(当時は外国語映画賞)以来となる非英語映画賞を受賞した。日本でも毎日映画コンクールの日本映画大賞と監督賞をダブル受賞、日本アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚本、編集、録音、撮影、照明の最多8部門で最優秀賞を受賞した。

 同作は村上春樹氏(73)の短編集「女のいない男たち」収蔵の同名小説が原作。西島秀俊(50)が演じる妻を亡くした舞台俳優兼演出家が、専属の女性運転手(三浦透子)と出会い再生していく物語。普遍的な人間ドラマが評価されたことに加え、米国でも長引く新型コロナウイルスの影響により製作や公開の延期が相次いだことで、21年に公開された作品の絶対数が少なかったことが受賞ラッシュにつながった。

 ◇濱口 竜介(はまぐち・りゅうすけ)1978年(昭53)12月16日生まれ、川崎市出身の43歳。東大文学部卒。助監督などを経て、東京芸大大学院映像研究科に入学。15年に「ハッピーアワー」がロカルノ国際映画祭で注目を集めた。18年の「寝ても覚めても」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。「偶然と想像」は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞に輝いた。
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