アカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門では、1977年のNBAドラフトで女子選手として初めて指名されたルシア・ハリスさんを描いた「ザ・クイーン・オブ・バスケットボール」が受賞。カナダ出身のベン・プラウドフット監督による作品だが、共同プロデューサーには元レイカーズのセンター、シャキール・オニール氏(50)やウォリアーズのステフィン・カリー(34)が名を連ねており、NBA関係者の受賞は2018年に「親愛なるバスケットボール」で短編アニメ賞を受賞した故コービー・ブライアント氏以来、これが2度目となった。
今年1月18日に66歳で他界したハリスさんはミシシッピ州のデルタ州立大で活躍した191センチのセンター。女子バスケットボールが初めて採用された1976年のモントリオール五輪の開幕戦(対日本)で「五輪史上最初に得点した女子選手」となり、1977年のNBAドラフトでは7巡目(全体137番目)に当時ルイジアナ州ニューオーリンズに本拠を置いていたジャズに指名された。
NBAドラフトで最初に指名された女子選手は1969年の13巡目にサンフランシスコ・ウォリアーズが指名したデニス・ロングだったが、リーグがこの指名を無効としたために、その“称号”はハリスさんに移行。ハリスさんは指名されたときに妊娠していたことなどもあって結局、ジャズには入団しなかった。
受賞作品は陰に隠れていた歴史的人物に焦点を当てたもので、カリーは自身のシューズに「QUEEN LUCY」と書き込んだほど。この作品ではハリスさん本人が自身の人生を語っている。