「鎌倉殿の13人」新垣結衣が新境地“八重さん”ネット反響!最多トレンド入り 三谷幸喜氏が救った初大河

2022年04月17日 05:00

芸能

「鎌倉殿の13人」新垣結衣が新境地“八重さん”ネット反響!最多トレンド入り 三谷幸喜氏が救った初大河
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。北条義時(小栗旬)と夫婦になり、懐妊。新たな人生を歩み始める八重(新垣結衣)(C)NHK Photo By 提供写真
 女優の新垣結衣(33)がNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)で新境地を開拓した悲運の美女・八重がSNS上で大反響を呼んでいる。過去14回の放送のうち、ツイッターの世界トレンド入りは登場人物最多の9度。前回第14話(4月10日)で主人公・北条義時(小栗旬)と夫婦になり、新たな人生を歩み始めた。大河ドラマ初出演、時代劇も本格初挑戦となった新垣に撮影の舞台裏を聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷氏が脚本を手掛け、俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 もう悲劇のヒロインじゃない。

 最初の夫・源頼朝(大泉洋)と父・伊東祐親(浅野和之)の間で板挟みとなったがゆえに最愛の息子・千鶴丸(太田恵晴)を失うなど、次々と悲運に見舞われた八重。しかし、どんな時も見守り続けてくれたのが幼なじみの義時だった。第13話(4月3日)のラスト、義時の一途な想いが届き、八重は「お帰りなさい」と笑顔。第14話には、新たな命を宿したことが明らかになった。

 序盤、夫・江間次郎(芹澤興人)に「舟を出しなさい」と命じる(第5回、2月6日)など、頼朝を想うがゆえの行動は表面的にはわがままにも映った八重だが、その奥にあったのは芯の強さ。新垣は「頑固ですよね。言い方を変えると、意志が強い。自分の思いを忠実に行動に移すことができるのは一つ、八重さんのいいところでもあるのかなと思います。自分の大事なものをどんどん失っていってしまったので、自分の生きる意味をずっと探しているというか。ある意味、生きることへの執着、逞しさ、あきらめない力がある人だと捉えています」と魅力を強調。時代に翻弄されながらも意志を貫く気高さを体現し、定評のあるコメディエンヌぶりから一層、幅を広げる新境地を開拓した。

 インターネット上にも「八重役はガッキーにとって新境地だと思う。何やかんやアイドル的な扱いを受けてきた彼女のイメージがガラッと変わるかも」「父を殺すよう命じたのは鎌倉殿だと言われた時の八重さん。声というか、演じ方が今までに見たことないものだった。千鶴丸のお墓で泣いてる時もそうだったけど、この大河で新垣結衣の新たな姿を見ることができて好きが増す」「義時を拒んでいたのも頼朝に未練があるからではなく、それこそ馬を乗り換えるように男を乗り換える自分が嫌いなんだろう。別れた男にしがみつくのも、新しい男にすり寄るのも八重自身の矜持が許さない。媚びないし、なびかない。気高いからこそ八重は美しく、その笑顔は何よりも尊いのだ」などの声が相次ぐ。

 新垣の造形力と八重の動向に視聴者の熱視線。過去14回のオンエアのうち、「八重さん」は9度、ツイッターの世界トレンド入り(50位以内、「ガッキー」は2度)。第9話からは6週連続のランクインとなり、「梶原景時」(中村獅童)の3度を大きく引き離し、登場人物最多を誇る。

 新垣は今回、時代劇に本格初挑戦。視聴者としても「最終回で嗚咽するぐらい好きな作品」という「真田丸」以外は「正直ほとんど見たことがありませんでした」。演じる側としても「やっぱり難しいイメージ。その時代の当たり前みたいなものに共感しづらいのかなと正直思っていて、特別興味があるわけでもなかったんです」と“食わず嫌い”の一面もあったことを明かした。

 「それが今回実際に参加させていただいて、時代の価値観は違ったとしても人間が抱く感情は変わらないものだなと実感しました。身近な人が亡くなって悲しいとか、死への恐怖とか。誰かを好きになったり、嫉妬したり。歴史上の人物も実際に生きていた人たちだということは分かってはいるんですけど、どこかフィクション感があって。でも今回、やっぱり実際に生きていた人たちなんだなと肌で感じられる機会になりました。政子さんも歴史上は尼将軍と言われていますけど、八重さんと初めて対峙した時(第2回)の顔は、まだ本当に何者でもない1人の人間のもの。大事な人(頼朝)を想うただの少女の時代が政子さんにもあるんだよなと思いました。三谷さんの脚本が現代に寄り添うことを意識されていて、台詞の言い回しも現代的なので、そのおかげもあるのかなと思います。現場で初めてのことがたくさんあって、反省しかないので、成長できたかどうかは分からないですけど、経験としては一つ、自分の身になったかなと思います。所作は現代劇だったとしても動きが美しく見えるのかなと思ったり、お着物を着て過ごす時間は気持ちも締まるんです。そういうことは今後、どこかで生きるんじゃないかなと思います」

 三谷氏からはアドバイスや感想も届き「これから作品に携わる時も、台詞の細かい意味まで大事にしていきたいなとあらためて思いましたし、うれしい感想もたくさん頂いて、とても励みになりました。反省ばかりなんですけど、『僕が思い描いた以上の八重さんになりました』というお言葉を頂けた時、本当に全部報われたといいますか、安心したといいますか。反省の気持ちは消えないんですけど、そういうふうにおっしゃっていただけて、本当によかったなと思いました」。八重が義時に救われたように、新垣も三谷氏に救われた。

 愛する頼朝との仲を裂かれて入水したという言い伝えもあり“早期退場”も予想された八重だが、今回は三谷氏が重要な役割を託した。新垣も「それまでほぼほぼ笑わなかった八重さんですけど、これ以降は本当に笑顔が増えます。表情や雰囲気もガラッと変わると思います」と今後の展開を予告。陰謀が渦巻く苛烈な権力闘争が展開される“ダーク大河”。義時にとっても、視聴者にとっても癒やしの存在となりそうだ。

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