里見女流4冠 棋王戦本戦入り&プロ編入試験受験資格獲得 女流棋士初のW快挙達成
2022年05月28日 05:00
芸能
終局後は「いい感じで動きを見せられたが、一手一手が難しく、そこまで自信があるわけではなかった」と明かしつつ「自分でもここまで(予選を)勝てるとは思わなかった。実力以上のものが出た」と女性初の快挙を謙虚に振り返った。
棋王戦の対戦カードは今後発表されるが、藤井聡太王将(19)=竜王、王位、棋聖、叡王含む5冠=は挑戦者決定トーナメントから登場。藤井対里見のカードが実現する可能性もある。2人は2018年8月の棋聖戦1次予選で対局し、藤井が勝利している。
もう一つの偉業であるプロ編入試験受験資格獲得。かつて奨励会三段リーグを抜けきれず、年齢制限(26歳)で退会を余儀なくされた里見にとってはビッグチャンス到来だ。「(受験は)あまり考えていなかった。今日も勝てるとは思っていなかった。少し考えたい」と明言を避けたものの、もし挑戦となれば大きな決断になる。
日本将棋連盟に1カ月以内に受験を申請すれば受理月の2カ月後から新四段を相手に編入試験の5番勝負を行うのが今後の流れ。遅れてきた実力者の動向に注目が集まりそうだ。
▽プロ編入試験 26歳までにプロ棋士になれず養成機関・奨励会を退会となり、アマチュアとして将棋大会などで好成績を収めていた瀬川晶司六段が将棋連盟に直談判し、2005年に特例として戦後初めて実施。翌年に制度化され、瀬川を含めこれまで3人が合格している。
◇里見 香奈(さとみ・かな)1992年(平4)3月2日生まれ、島根県出雲市出身の30歳。6歳で将棋を始め、2004年に中学1年で女流棋士になる。08年に倉敷藤花戦で初タイトルを獲得。これまでの女流タイトルは47期。終盤の攻めの鋭さから「出雲のイナズマ」の異名を持つ。