吉田拓郎「リタイアしたい」76歳 日本フォークの旗手、芸能活動年内終了へ 来月フジ特番が最後のテレビ
2022年06月25日 05:00
芸能
拓郎はブログなどで、29日発売のアルバム「ah―面白かった」を最後に第一線を退く意向を示していたが、まだ活動を続けるのではとの期待があった。だが、今回の最後のテレビ出演の発表で、芸能活動終了が一気に現実的になった。
関係者によると、拓郎は今後、コンサートは行わず、音楽祭やイベントなどへの出演もしない。そのため、姿を公の場で見る機会は今回の特番が最後となる。パーソナリティーを務めるニッポン放送「吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD」も年内で終了する予定。CDなどの音楽作品も「ah…」を最後とする。
関係者は「拓郎さんは周囲に“年内で公の活動からは全て退く”と言っています。将来的にはあくまで本人次第ですが」と明かした。03年に肺がん、14年に喉にがんを患ったが、病気はリタイアの理由ではなく「若い頃のような歌声が出せなくなったことだそうです」(関係者)。
1970年に「よしだたくろう」名義で「イメージの詩(うた)」でデビュー。72年の「結婚しようよ」で当時、若者の反戦・反体制の象徴だった連帯ソングのフォークを大衆音楽へと引き上げた。森進一(74)に提供した「襟裳岬」は74年の日本レコード大賞を受賞した。
75年には井上陽水(73)泉谷しげる(74)小室等(78)とともに、アーティストによる初のレコード会社「フォーライフ・レコード」を設立。これを機に芸名を現在の「吉田拓郎」とした。同年8月、かぐや姫とともに静岡県掛川市のヤマハつま恋リゾートで開催したオールナイトの「つま恋コンサート」は5万人以上を集め「夏フェスの元祖」として伝説化している。
戦後の音楽史に残る功績を残してきた拓郎。ともに歴史を築いてきた音楽仲間も高齢に差し掛かっている中、その決断は大きな波紋を呼びそうだ。
◇吉田 拓郎(よしだ・たくろう)1946年(昭21)4月5日生まれ、鹿児島県大口市出身の76歳。広島商科大在学中に、ベンチャーズスタイルのバンドでコンテスト優勝。70年、自主制作盤「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」が注目を浴び、同年6月「イメージの詩/マーク2」でプロデビュー。私生活では77年に女優の浅田美代子(66)と結婚したが、84年に離婚。86年に女優の森下愛子(64)と再婚した。
《フォーライフ・レコードを陽水らと設立、長髪切って営業》拓郎はフォーライフ・レコード発足から約2年後の77年6月、初代の小室等(78)に代わって社長に就任。トレードマークの長髪を切り、背広で営業する姿にファンは衝撃を受けた。あれから45年。設立メンバーの井上陽水(73)は40年以上務めた個人事務所の社長を辞任。小室は今もシンガー・ソングライターとして活動中。泉谷しげる(74)は俳優としても活躍している。