ドラマ「帰らないおじさん」 今夜もアフター定時で自由を謳歌するおじさんたちの行方に注目!
2022年12月01日 12:00
芸能
作品は西村マリコさんが漫画誌「イブニング」(講談社)に連載した同名漫画のドラマ化。現在は続編の「帰ってきた帰らないおじさん」が連載中だ。
第1話のアフター定時は「無目的散歩」。星さんが公園で見つけた棒を天高く投げ、落ちてきた棒が指し示した方向に歩いていく。おじさん世代にとっては、子どもの頃に一度はやったことがあるであろう遊びだ。行きたい方向にはなかなか向いてくれず、棒の方向で一喜一憂する。ときには家屋と家屋の狭い隙間までも突き進んでいく。そんなおじさんたちの行動を見たOLの松永麗子(清水麻璃亜)は「何が楽しいか分からないけど、何か楽しそう」とひかれていく。
無邪気だった子どもも、さまざまな経験を経て大人になっていく。全ての夢がかなうわけもなく、時には挫折も味わいながらおじさんになっていく。散歩の途中で夢を諦めようとしているシンガーソングライターに出会い、星さんが思わず熱い言葉をかけてしまったのは、昔の自分にダブらせているからだった。ただ単にほのぼのとしているのではなく、青春時代をも想起させる。
接点のなかった3人の出会いは、渡辺さんが店長を務めるスーパーだった。割引のシールが張られた残り1つの肉を星さんと常田さんが取り合い、仕方なく渡辺さんがもう一つ肉を持ってきて2人に渡すというのがきっかけだった。そこから意気投合した。
第2話「懐かしの野球盤」、第3話「ツール・ド・ご近所」などでは3人が勝負を行っている。時に熱くなってしまうが、最後は笑って終わる。毎回、番組の最後に教訓のような言葉が流れるが、第3話は「何気ない日常の中で ムキになりたいときもある 誰も傷つけない戦いならば 時にはやってみるのもいい」だった。子どもの頃、ケンカをしたことで逆に仲良くなることもあったことに通じるものがある。
第4話のアフター定時は「大人の秘密基地」。星さんが日課のジョギングの時に好条件の場所を見つけ、思い付いた企画だ。3人は段ボール、ベニヤ板、マット、ビニールシートなどを持ち込んで基地を作っていく。おじさん世代は子どもの頃に経験したことのある基地づくり。ただの基地ではなく「秘密」だからこそ、仲間との信頼関係も深まる。懐かしさとともにワクワク感もこみ上げる放送回だった(3日午後5時半再放送予定)。
3人が基地を作った様子をたまたま見つけた麗子は、3人のいない間に基地に侵入する。そこでくつろぎ、おじさんたちへの思いはいつしか〝おじキュン〟へと変わっていった。
子どもの頃の遊びばかりがテーマではない。第6話「おつまみ選手権」では、予算500円以内であれば、どこで何を何品買ってもOKという勝負だった。勝っても負けても誰も傷つかない遊びは〝おやつは500円まで〟だった子どもの頃の遠足気分もよみがえってきた。
最初はおじさんたちを遠目から見つめるだけだった麗子も、次第に3人との距離が縮まっていく。第5話ではダンスを教えることになり、第6話では、うまい飯のことを語りながら、それを肴(さかな)に酒を飲むという「想像おつまみ選手権」に参加する。それぞれが思い出の食事を語っていくのだが、そこで〝おじキュン〟は深まっていく。
愛すべき3人のおじさんは、ショートムービーの共有サービス「TikTok」でも注目を集めている。ドラマの放送に先駆けて公開した「マラカス猫」の動画は100万回再生を突破するなどバズった。番組公式SNSでは多くの動画を公開しているので、こちらも必見だ。
今夜放送の第9話のアフター定時は「はじめてのケーキ作り」。なんのためにケーキを作るのか?3人のおじさんと麗子の関係性はどうなっていくのか?12月8日の最終回まで見逃せない展開が続く。
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