羽生九段「平常心で」 “普段通り”貫き追いつく 前日に順位戦勝利…気分よく決戦の地に
2023年03月11日 05:00
芸能
前日は東京都渋谷区の将棋会館で名人戦順位戦B級1組の最終局に臨んだ。A級昇格が懸かる中村太地七段(34)=現八段=に付け入る隙のない指し回しで97手での快勝。6勝6敗の指し分けで長いリーグ戦を終えたばかりだ。終局は午後10時28分。「でも順位戦にしては比較的早く終わったので、普通に休めました」という。なによりも白星で最終局を締めたのだから気分も軽いだろう。「また来期にいい形でつなげていければと思います」。一夜明けて羽田空港から航空機と九州新幹線を乗り継ぎ現地入りも、疲労の色はさほど見られない。
第6局は先手番。今シリーズは2戦2勝と、一手早いメリットを存分に生かしている。「今までの対局のことを踏まえ、あす(11日)からどうやっていくか。ただ特別に指す将棋になるわけではない。普段通りです」。その「普段通り」でシリーズ2勝を奪っているのが羽生の空恐ろしさだ。
藤井相手のタイトル戦で3勝目を挙げれば、その時点で史上初。夢の対決にふさわしいフルセットへとなだれ込むか。 (我満 晴朗)