NHK版「犬神家の一族」あの“逆さ足”は3パターン想定「夢が叶いました」当日急きょ変更 演出語る裏側

2023年05月01日 11:00

芸能

NHK版「犬神家の一族」あの“逆さ足”は3パターン想定「夢が叶いました」当日急きょ変更 演出語る裏側
特集ドラマ「犬神家の一族」後編。湖面から突き出る“逆さ足”(C)NHK Photo By 提供写真
 俳優の吉岡秀隆(52)が主演を務めたNHK版金田一耕助シリーズの最新第4弾「犬神家の一族」は4月29日(後9・00~10・30、BSプレミアム・BS4K同時)、後編が放送され、過去の映像化でもおなじみの、湖面から突き出る“逆さ足”のシーンが登場した。第1弾から演出を務める吉田照幸監督(53)に撮影の舞台裏を聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 推理作家・横溝正史によるミステリーの金字塔を前後編各90分のボリュームでドラマ化。「獄門島」(2016年)「悪魔が来りて笛を吹く」(18年)「八つ墓村」(19年)に続き、4年ぶりとなる待望作。吉岡は前々作・前作に続き、3回目の名探偵役。湖畔の屋敷を舞台に、金田一が犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛の莫大な遺産をめぐる謎の連続殺人事件に挑む。

 脚本はNHK「岸辺露伴は動かない」シリーズ、アニメ「進撃の巨人」「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズなどで知られる小林靖子氏が担当。吉田監督はチーフ演出を務めた昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の後、初作品となった。

 犬神家の長女・松子役に大竹しのぶ、次女・竹子役に南果歩、三女・梅子役に堀内敬子、松子の一人息子・佐清役に金子大地、佐清を慕う野々宮珠世役に古川琴音らと豪華キャストが集結した。

 吉田監督が「この金田一シリーズが目指しているのは、原作通りの映像化でもなく、映画のリメークでもなく、原作を土台、基盤に今らしい新解釈、アレンジを加えて表現しようということなんです」と語るモットーは、もちろん今作も同じ。市川崑監督&石坂浩二主演による1976年版の映画が邦画史に残るインパクトを残した逆さ足のシーンに、どのように挑んだのか。

 原作には「12月13日の朝」「氷の中から」発見された、と書かれている逆さ足。胴体が水面に突き刺さっているのは、湖が凍ったゆえだ。

 吉田監督は3つのプランを想定していた。(1)原作通りの凍った湖(2)胴体が刺さるかもしれない泥の水たまり(3)過去の映像化と同様のもの。

 今年2月、岡山県内で行われたロケ。期待は湖の一部日陰になる場所だったが、前日まで一度も凍らず。そのため(2)を決断した。

 しかし当日行ってみると、湖は見事に凍っていた。急きょ予定を変更し、これまでの映像作品には一度もない、横溝正史が描いた氷から突き出た足の念願の映像化が実現。しかも氷が適度に薄く、船で近づける硬さ。これにより、死体が運ばれるリアリティーも担保。吉田監督は「夢が叶いました」と語った。

 また一つ、新しい「犬神家の一族」が誕生した。

 前編は4月22日に放送され、BSながら、オンエア終了後(午後11時)に「#犬神家の一族」がツイッターの国内トレンド1位に輝く大反響。後編もオンエア終了後(午後11時)に「#犬神家の一族」が1位、「スケキヨ」が19位、「小林靖子」が25位、「金田一さん」が26位、「青沼静馬」が30位、「大竹しのぶ」が40位、「松子夫人」が49位と国内トレンドを席巻した。

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