羽生九段 藤井新名人の7冠達成を称賛「将棋の魅力を伝えるフロントランナー」
2023年06月02日 05:30
芸能
プロデビューを指す四段昇段から10年1カ月での偉業達成だった。当時の羽生は終盤の不利な状況からでも多くの逆転劇を生んだ。その勝負術は「羽生マジック」と呼ばれた。全7冠独占から5カ月半後、棋聖を失冠。7冠の座に戻ることはなかった。
一方、20歳10カ月の藤井は今回6年8カ月と大幅短縮した。対局ではペースを握ると、そのまま押し切るケースが目立つ。AIが勝率を示すグラフは「藤井曲線」といわれ、中盤から右肩上がりにきれいに描かれる。
日本将棋連盟常務理事の森下卓九段(56)は「将棋界には時代ごとにトップがいて、王者の系譜がある。故木村義雄14世名人、故大山康晴15世名人、中原誠16世名人がいて、羽生九段の後は藤井新名人。その強さの本質は同じと思う。2人の7冠時の5歳差は羽生九段の時代になかったAIの影響が大きい」と分析している。